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どう裁けばいいのか。
悪魔払いについては詳しくないのですが、本作は悪魔払いそのものというより、そのことについての裁判の話なので、すっとはいっていけました。精神を病み、おかしくなってしまった少女に見える人がいて、それが悪魔のせいだと思い、懸命に悪魔払いをした牧師、彼を罪に問えるのかという話です。難しい問題だと思います。病気の人を医師に見せないのは良くないと思うし、それは犯罪な気もします。でも、この牧師さんの真摯な態度、娘さんの様子、そして、悪魔が信じられている時代、場所なら、仕方がなかったのかもしれません。日本においては悪魔はそんなポピュラーな話ではないし、悪魔系の話はあんまり恐怖を感じないのですが、本作は怖かったです。それは、やはり悪魔だと勘違いされるような病気があるというのがわかったり、自分ではコントロールできない恐怖を見せられたからだと思います。裁判については、自分の信じるところじゃないことで、弁護を依頼された弁護士さんが大変そうでした。裁判所も、いやいやと思うところもあったでしょうが、なかなか公正な裁判だったと思いました。今までと違う感じの悪魔払いの話で、面白いと思いました。エミリー役の役者さんは、怖かったし、うまいなと思います。