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こんな話だったとは、びっくり。
家に幽霊が…みたいな話はよくありますが、本作の夫婦は難民で、イギリス政府から与えられた家から出るという選択肢がないところがさらに怖いと思いました。最初、彼女らが家を与えられるところも、ここにいろ、仕事はするなみたいな感じで、上からというか、そりゃあ好き放題させられないのはわかるけど、不穏な雰囲気があり、難民の難しさも感じました。
そして、幽霊的な怖さかなと思えば、人間の怖さとか、戦争により破壊される道徳心みたいな話も出てきて、すごく考えさせられました。子供をなくしたなんて、ほんとにきつい体験だし、そのことに罪悪感をもつのも理解できます。しかし、実はそれだけじゃなかっただなんて、すごくびっくりです。
ボル、リアール、お前らは酷い奴だと思ったけど、あの状況ではそうまでしてでも生き残りたいと思ってしまうものかもしれません。なんか、最後に裏切られました。ホラーであり、社会派ドラマでもあり、すごく重たい作品です。いい映画に出会ったなと思いました。
ホラー描写がそこまで目新しいとかはなかったけど、おもしろい設定の話で私はひきこまれました。結局、一番怖いのは人間です。そんな、すごくありふれた結論の映画だけど、そのことをまざまざと思い知らされました。