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アンダーグラウンド・ヒップホップにおける衝撃
ダイレイテッド・ピープルズ(Dilated Peoples)の"Pay Attention"が、レコード店のBGMで流れているのを聴いたときの衝撃は忘れられません。
繊細なピアノメロディーがサンプリングでループするヒップホップチューンなのですが、そのセンスの良さに、すごいグループが現れたなぁと思いました。
このピアノのサンプリング元は、ジャズピアニストのアーマッド・ジャマル(Ahmad Jamal)による1976年の作品"Crossfire"。
アーマッド・ジャマルの曲を使用したヒップホップトラックは数多くあれど、"Pay Attention"ほどに感情に訴えかける曲はあまりありません。
元の曲を聴いてもピンとこないぐらい、絶妙な箇所がうまい具合にリピートされています。
"Pay Attention"がリリースされたのが2001年。
それよりも前の1998年のシングル"Work the Angels"で、ヒップホップシーンにおいてすでに話題になっていたようです。
二人のMCによるラップにも、DJによるターンテーブル捌きにも、確かなテクニックと、オリジナリティのある芸術性が見られ、こういうグループの登場が待ち望まれていたのだろうと思いました。
熱い攻めの姿勢にもグッときます。
2000年前後のアンダーグラウンド・ヒップホップを盛り上げた、ロサンゼルスの重要グループです。