2pac / トゥーパック / 2パック

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2pac(2パック・トゥーパック)とは、アメリカ合衆国のラッパーであり、俳優としても活躍した偉大なアーティストである。1991年にDigital UndergroundでMCニューヨークとしてデビューし、同年11月に2Pacとして『2Pacalypse Now』でソロデビューを果たす。黒人差別や社会問題をリアルにつづった歌詞は、多くの人に影響を与えた。1996年9月8日のラスベガスで銃弾を4発被弾し、25歳という若さで命を落とす。この世を去ってからも多くのアーティストやファンに愛され続けている。

tomato19949のレビュー・評価・感想

2pac / トゥーパック / 2パック
7

90年代のゲットーをラップしたHIP HOPの伝説

HIP HOPの伝説となり、アイコンとなった2パック。
過激でスキャンダラスな面と、繊細で文学的な面が同居した、人を惹きつける魅力のあるスターです。
最も、彼のスキャンダラスな面というのは、何も自ら進んでトラブルを起こしているわけではないのだけれど、巻き込まれてそうなってしまったということが多いようですが、まだまだゲットー(貧民街)の治安が改善されない90年代のアメリカにおいて、彼自身が危険な領域にいたことは紛れもない事実でした。

そんな危ない環境にいた2パックが体験したことやラップしたことは、私たちの目や耳には過激に映りますが、ゲットーに住む人々にとっては普通に起こり得ることだったのでしょう。
人種差別、ドラッグの蔓延、銃を手にするギャング…。
"Changes"で2パックがラップした描写には、苦難を生きた人だからこその洞察と、心からの願いを感じます。

ロサンゼルスを中心とする西海岸と、ニューヨークを中心とする東海岸のHIP HOPシーンが対立する状況下で、2パックは西海岸のトップアーティストとなり、東海岸に対する攻撃心を激しくしていったわけですが、皮肉にも2パックはニューヨーク出身でした。
生まれ故郷と敵対しなければならないということは、どのような心理状態だったのでしょうか。
その悲しみの反動として、よりタフに、より過激に振る舞っていた部分も、もしかしたらあったのかもしれません。