影踏み

jihen2のレビュー・評価・感想

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影踏み
8

双子だと大変。

横山秀夫さんの作品は好きなので、本作も楽しみにしていました。事件モノではありますが、犯人ら登場人物に悲しい事情があり、人間ドラマでもある作品でした。そんな悪い人には見えない修一がなんで、泥棒なんかをしているのか、泥棒の最中なのに、死のうとする人を止めたり、死に人一倍敏感なのはなぜなのかとか修一の過去が悲しくて見入ってしまいました。
彼にひっついてまわっている啓二は、年齢も違うし、どういう師弟関係なのかも明らかにされてなかったから何なんだろうと思っていたけど、オチを知ってなるほどと思いました。双子だと、ほんと普通の兄弟以上に相手に嫉妬とかしちゃいそうです。
でも弟がちょっと道を外れちゃったときに、母親がしたことはあれでしたね。それまでにいろいろあって、母親を責めるのは違うとは思いますが、ほかの解決策はなかったのかなと思っちゃいます。最後の最後には思いとどまったようですが、そのことが修一に与えた影響が大きすぎました。修一も、彼の恋人も振り回されかわいそうでした。これからはちょっと前を向けそうになっててそれがよかったです。
役者陣も主役が山崎まさよしだなんてびっくりしましたが、全然演技もいけてました。それに他の人たちも個性派と呼ばれる人が多くて、とても面白い映画になってました。