嘘を愛する女

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嘘を愛する女
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長年一緒にいた恋人の素性は偽りであった。愛する気持ちさえ嘘なのか?

川原由加利は大手食品メーカーに勤務するキャリアウーマン。仕事は順調で、同棲5年目の彼氏である小出桔平も医学研究員というエリートである。
桔平は掃除や料理といった作業が得意で、家にいて由加利の面倒を見たり家事をしてくれている。
由加利は公私ともに順調で、その姿は女性にとっても理想の姿。
ある日由加利は自分の母親に桔平を合わせようと考え、レストランで3人で食事しようと誘う。
今まで由加利の母親に会うのを渋っていた桔平も、ついに会うことを承諾する。
しかし、約束の時間になっても桔平は現れなかった。約束を破られて激怒している由加利の元に警察が来る。
なんと、桔平がくも膜下出血で倒れ病院に運ばれたのだ。しかも、桔平が持っていた身分証明書や医師免許は住所以外はデタラメで偽装されたものだと発覚した。
桔平が働いているはずの病院に確認しても、小出桔平という人物は勤務していないと告げられる。彼の名前も職業も全て偽りだったのだ。
由加利は絶望に打ちひしがれ、桔平の荷物を全て処分し、桔平と別れようとするが彼を愛していることに気づく。
探偵を雇い、彼の出身地を突き止め、彼の真実を追いかける旅が始まる。
果たして彼の本当の姿は誰なのか、愛する気持ちさえ嘘だったのか。
壮大で美しいラブストーリーが描かれている。