心を揺さぶる歌声とメロディー
ヨルシカは、作曲家であるn-buna、ボーカルのsuisによる男女二人組のロックバンドである。ジャンルはjポップではなく、ロックバンドとして扱われる。初めは敷居が高いと思い敬遠していたが、一度アルバムを手に取ってから、ヨルシカの大ファンになってしまった。ロックといっても、曲調は本当に様々。バラードだったり、日常を歌ったような素朴なものもあるが、曲の全てにギターが入っている。このギターが絶妙なメロディーを奏でる。Cメロを担当していたり、大切な歌詞の中に合わさるその音は、何度聞いていても鳥肌が立ってしまう。私は音楽的なものに疎いが、この人の曲は胸を揺さぶられるようなフレーズが、必ずどこかに存在する。ハッキリ言ってしまえば、好きな部分、という意味だ。ボーカルsuisの歌い方も良い。ヨルシカは考察が必要な歌詞も多い。一つのアルバムごと、テーマがあり、そこにはキャラクターが存在し、まるで小説を読んでいるかのような心持になる。「だから僕は音楽を止めた」「エルマ」は二枚で一つの小説となっている。アルバムを聞き終えてから涙が流れる。ボーカルのsuisはそれらの歌詞を心から奏でようとする。激しい曲は激しく、低い声で、優しい曲はささやかな朝陽のような、柔らかさをもって歌う。それら全てが一つに凝縮し、この世に一つとも存在しない作品となる。ぜひ一度、聞いてみて欲しい。