憂国のモリアーティ / 憂モリ

『憂国のモリアーティ』とは、2016年9月号から『ジャンプスクエア』(集英社)で連載された、竹内良輔構成、三好輝漫画のクライム・サスペンス漫画である。コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』を原案として、シャーロックの最大の敵であるモリアーティを主人公にした物語が描かれる。
コミックスは18巻が刊行され、2022年時点で累計発行部数が600万部を超えた。2018年には「全国書店員が選んだおすすめコミック」の一般部門で第2位を獲得した。
テレビアニメは2020年10月から12月までの1クールと、2021年4月から6月までの2クールが放送され、モリアーティの声を斉藤壮馬、ナレーションを森田順平が担当した。OVAはアニメの制作体制で2022年に発売され、同年8月から10月にかけてテレビで放送された。またミュージカルは2019年から2021年まで3回上演され、舞台は2020年1月に第1弾、2021年7月には第2弾が上演された。

9ellsbatdのレビュー・評価・感想

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憂国のモリアーティ / 憂モリ
9

今までに無い切り口

シャーロックホームズは世界中でよく知られている物語で主人公でもあり、その最大の摘はモリアーティ教授ということは良く知られている。ホームズ目線の漫画などは多く描かれていたが、この漫画は最大の敵であるモリアーティ教授をメインとしている漫画である。設定などは原作とは異なるが、なぜ犯罪を起こしているのかどのような生い立ちなのかが新しい世界観で描かれており、しかし彼の天才的な頭脳によって計画される犯罪の華麗さ、シャーロックとの頭脳戦は見ものである。
そして、彼以外の登場人物のキャラクターもしっかり個性があり次の展開に期待が湧き上がってくる。モラン大佐、アイリーン・アドラー、切り裂きジャック、レストレード警部、もちろんワトソン、マイクロフトとホームズ好きであれば必ず分かる登場人物もおり、驚くことにジェームズボンドも登場する。それぞれの関係性の新しい切り口に対してとても興味深い内容になっている。犯罪卿モリアーティとして描かれているため、重い内容のものもあるが、合間でほのぼのとした内容の話もあり、とてもバランスのとれた内容である。この作品は、サスペンスものの漫画が好きな方はもちろん、この新しい世界観へ興味を持つホームズ好きにもお薦めできる漫画である。