女の子が主役の.hack
.hack作品はこれまで全てのゲーム、コミックス、ノベライズ、映像作品を見てきているのですが、その中でも今作は傑作だと思います。
主役は雪深い青森県在住の女子高生3人組で、これまで.hackの主役はすべて男の子だったため、この時点でかなり引き込まれます。
主人公・相田安澄ことサクヤは、クラスメイトの生田衣織ことトービアスと、江藤衿ことメアリとともに、TheWorldを楽しんでいました。
しかし、安澄の後先考えない性格が災いし、巨大ギルド「八咫鏡」に目をつけられ、追われる身となってしまいます。
追われる道中、怪しい仔猫のプレイヤー・ハーミットと仲良くなるサクヤですが、実はハーミットにはとんでもない秘密があった、というストーリーです。
ゲーム内の描写と、現実世界の描写がだいたい半々くらいの割合だったのですが、私は見慣れたTheWorldのゲーム世界よりも、作り手のサイバーコネクトツーが考える近未来2022年の現実世界の方に魅力を感じました。
サイバー特区とされた青森県、人体に埋め込む様々な個人情報が入ったマイクロチップ、学校の机がそのままタブレットになったりと、ありそうだけど、実際の未来の世界には無いものなんだろうなぁ、と地味～に手は届かないけれど、「こういう未来設定良いな～！」と思います。これだけ未来感がありつつも、どこかアナログ感のある家や街並みの様子とのギャップがまたたまりません。
.hackはゲームやコミックス、ノベライズは素晴らしいもの揃いなのですが、アニメは壮大な設定やストーリーから駆け足になりがちなところがあり、今作は.hackのメインであるゲームでの補完がされないので心配していたのですが、映像作品だけでもかなり満足のいく仕上がりになっていました。
女子高生3人組が繰り広げる.hackの世界、お気に入りで何度も見たくなる作品です。