人生の教科書になる
闇金ウシジマくんは、タイトルからも分かるように、闇金業者が主人公の作品です。ほとんどの人は人生の中で闇金に関わることはないですが、作品中に登場する債務者は、多くの読者に当てはまっています。闇金からお金を借りるといえば、非正規労働者や生活保護を受けるような人というイメージがありますが、普通のサラリーマンや主婦も登場するのです。
闇金に手を出さずに生きていれば何でもなかったのに、闇金に手を出してしまったことにより、人生が崩壊していく姿が描かれています。そのため、読んでいて気分が良くなる作品ではありませんが、それと同時に、このようになってはいけないと思えるような作品でもあります。それは人生の教科書として、多くの人が読むべきと言っても過言ではないほどです。
人は誰にでも弱い部分があり、それまでは順調な人生を歩んでいたとしても、ちょっとしたことで道を外れてしまいます。闇金業者はその弱いところを見逃しません。この作品は、落ちていく債務者を見ることで、読者が同じようにならないように気づかせてくれる作品であると思います。自分は正社員だからいいやだとか、結婚までできたからいいやではありません。この作品に出てくる債務者のようになってしまう可能性が、全員にあるのです。そのため、全ての人に読んでほしい。そう思える作品です。