舞台を見てるかのようなライブパフォーマンス
吉澤嘉代子は埼玉出身のシンガーソングライターである。
代表作は「残ってる」。口コミで噂が広まり、話題となった。
この曲は朝帰りの女性の切ない心情を歌ったもので、その歌詞の端々に滲み出ている女性の脆さと一夜の恋の儚さに、共感したファンはたくさんいたことと思う。
この曲のような等身大の恋愛を描いたものだけでなく、彼女の楽曲は子ども時代に夢見た童話のような雰囲気を持つものから、大人の女性の嫉妬や苦悩が剥き出しになったものまで、実に幅広い。
卓越した言葉のセンスと、型にはまらない音楽性で、1つのアルバムを聴いていると、まるで物語を聴いているかのような気分になる。
そんな彼女の最大の魅力は、なんといってもライブのパフォーマンスにある。
普段は大人しく、MC等もたどたどしい(そこが良いところでもある)が、演奏が始まると一気に何かが降りてきたかのように変貌する。
曲に合わせてくるくると表情が変わり、声色が変わり、時には小芝居やダンスをしながらステージの上で輝く彼女はまるで舞台女優のようである。
お気に入りの曲目当てで来ていた観客も、音楽の中に「生きている」彼女を見ると、心を掴まれずにはいられず、一瞬で彼女の世界観の虜になってしまう。
ぜひ、歌手吉澤嘉代子の圧巻のライブパフォーマンスを一度は見ていただきたいと思う。