橘いずみ / 榊いずみ / 和(シンガーソングライター)

shuna2021k3のレビュー・評価・感想

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橘いずみ / 榊いずみ / 和(シンガーソングライター)
10

むき出しの感情を歌う

橘いずみは、90年代のいわゆる「ガールズポップ」全盛期にデビューしました。しかし、その枠から突き抜けた楽曲を発表し続け、ファンの心をわしづかみにしました。
ファーストアルバム「君なら大丈夫だよ」では多彩な楽曲が橘いずみの可能性を探っている状態でしたが、その中の一曲である「のぞみ」が突出して印象強く響きました。歌い出しが『誰かを殺す夢を見たんだ』とう衝撃的な歌詞を、感情むき出しで歌う姿が、あまりにもぴったりだったのです。
セカンドアルバム「どんなに打ちのめされても」に収録された、代表曲でもある「失格」は、その徹底的な自己批判ぶりで話題を呼び、知る人ぞ知るシンガーソングライターとして頭角を現します。
サードアルバム「太陽が見てるから」ではその内省的な歌詞の殺傷能力が増し、心に刺さるリリックと魂を震わせるバイブスで唯一無二の存在感を示しました。
そして、フォースアルバム「こぼれおちるもの」に収録されているドラマ「この愛に生きて」の主題歌「永遠のパズル」と共に、橘いずみの名前が広く知られるようになります。
「女版尾崎豊」と言われることも多いのですが、それはプロデューサーが同じだったからです。その縁で尾崎豊のトリビュートアルバムのなかの一曲「路上のルール」をカヴァーしています。