スマホを落としただけなのに

スマホを落としただけなのに

『スマホを落としただけなのに』とは、志駕晃(しがあきら)のミステリー小説および、中田秀夫が監督を務めたミステリー映画である。原作は第15回『このミステリーがすごい!』大賞で最終候補に残った人気シリーズだ。賞には落選したが、編集部推薦の「隠し玉」としてシリーズ化され、全3巻が刊行された。
主人公の麻美の彼氏である富田がスマホを落とした日から、麻美の周囲で不可解な出来事が起こり始める。やがて事態はネットに留まらず連続殺人事件、そして麻美の秘密をも暴いていくことになる。

kobachi4のレビュー・評価・感想

スマホを落としただけなのに
8

スマホという化物について考える作品。

テレビの地上波放送で観たのですが、思っていた以上に面白かったですね。主演の北川景子の演技もよかったと思いますし、田中圭を始めとしたキャスト陣も非常に豪華でした。『リング』で有名な中田秀夫監督の作品であることはあとから知りました。次から次へと物語はテンポよく進んでいくので観ている方を飽きさせるような中だるみもありません。元々、北川景子にあまり興味のなかった人でも全然違和感を感じることなく楽しめる作品だと思います。バカリズムもいい味を出していたと思います。連続殺人事件をモチーフにした映画としては『羊たちの沈黙』のような雰囲気もありました。最後の映画館のシーンにカップル役で出演している北村匠にも注目です。FacebookやLINEなどのSNSアカウントを乗っ取られるだけでこんなに酷い事件が発生するとは思いませんでした。実際に起きても不思議のない時代になったんですね。スマホのロックを外すだけですべてのプライベートな情報が丸わかりになってしまうのは非常に考えものだなと思いました。第二弾も公開するとのことなので是非観てみたいと思っています。最終的には成田凌の演技力には驚愕しました。親の子供に対する虐待が大きなテーマにもなっていると思いますが、映画全体に深みを与えていてよかったですね。