ベルばら、美しき薔薇
宝塚が好きな方ならご存知かもしれません。漫画家・池田理代子の代表作「ベルサイユのばら」。大輪の花マリー・アントワネットがフランス王太子妃となり、その後、波乱の革命、大いなる嵐を迎える大スペクタクル超大作。
男装の麗人オスカル。貴族ジャルジェ家の末娘で、この家は代々フランス軍を統率し、由緒正しき家柄であった。産声をあげたその日から女性として生きる選択肢はオスカルには与えられなかった。フランス王家を守る運命背負い、男として育ち、成長したオスカルは近衛兵として軍に勤めていた。スウェーデンの貴族フェルゼンへの淡い片思い。幼馴染のアンドレへの友情からの愛。フェルゼンとアントワネットの秘めた恋。少女漫画として、様々な事件が絶え間なく起こり、人間の醜悪、葛藤、運命がフランスを舞台に繰り広げられる。宮殿のきらびやかな世界だけでなく、庶民の辛く厳しい世界も描かれている。貧困、反乱、そこから人々の怒りはアントワネットへと向かっていく。陰謀と罠、生きているうちに何故ここまで苦しい道なのか?危険な道をオスカル、アントワネットはそれぞれしっかりと確実に進んで行く。薔薇は美しくヴェルサイユに咲く。自分自身をどちらに重ねても楽しめる漫画です。