スマホを落としただけなのに

スマホを落としただけなのに

『スマホを落としただけなのに』とは、志駕晃(しがあきら)のミステリー小説および、中田秀夫が監督を務めたミステリー映画である。原作は第15回『このミステリーがすごい!』大賞で最終候補に残った人気シリーズだ。賞には落選したが、編集部推薦の「隠し玉」としてシリーズ化され、全3巻が刊行された。
主人公の麻美の彼氏である富田がスマホを落とした日から、麻美の周囲で不可解な出来事が起こり始める。やがて事態はネットに留まらず連続殺人事件、そして麻美の秘密をも暴いていくことになる。

ru0305ak3のレビュー・評価・感想

スマホを落としただけなのに
9

浦野の猟奇性が怖かった

浦野が自身を虐待していた母親に対する執着心が生んだ、大量の猟奇殺人事件は怖かったです。
殺された風俗嬢を襲うシーンや、襲う前の異常な行動は本当に怖かったです。
さらに麻美への小柳のストーカー行為がどんどんエスカレートし、ついに近所に引っ越し、家まで来たのかと思ったシーンは手汗が出てしまうほど、ドキドキハラハラしました。
それに、あんなに仲が良かった麻美と富田が大喧嘩してしまった原因の動画も、その小柳のストーカー行為も何もかも全て、浦野が仕組んだ仕業だったことに驚きました。
それを麻美本人にばらした後、救出しにきた富田と麻美、駆けつけた加賀谷に襲い掛かった時の浦野の暴走っぷりはとても異常でした。
その最中に麻美が富田に明かした秘密の内容は、とても切なく悲しいものでした。
でも、凄い秘密を抱えた麻美を受け入れ、再度富田がプロポーズするシーンは感動しました。
自身を虐待していた母親への異常な執着心とトラウマは、浦野と加賀谷に唯一共通する点でビックリしました。
スマホを落としただけで不可解なことが起き、スマホを乗っ取られ、挙句の果てに殺されそうになるなんて、本当に起こりそうな事件だったので、とても勉強になりました。