君も出世ができる

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君も出世ができる
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日本映画史のオーパーツ、すべて昇り調子だった時代に咲いたミュージカル映画のカルトな一本

1964年、前回の東京オリンピックの年に制作された和製ミュージカル映画の傑作。
舞台は大手旅行代理店。
今では想像できないかもしれないが、第二次大戦後からしばらくは日本から海外への旅行には厳しい制限があり、一般人が観光旅行をやっと許可されたのはこの映画が制作された64年の4月のこと。
そんなわけで、来たるべき海外旅行ブームを当て込んで意気が上がる旅行代理店サラリーマンと社長令嬢がドタバタしたりくっついたり離れたり……というお気楽ラブコメディを、日本映画では珍しいミュージカル仕立てで描いた作品だ。
ずいぶん昔の、しかも日本の映画でミュージカルなんて、さぞやショボいんでしょう?
と思われる方も多いだろうが、その予想は確実に裏切られることを保証しよう。
やたらと凝ったデザインの巨大セット(本当に広い!)で数十人規模の人物が縦横無尽に踊り、キャッチーな曲を唄い、衣装もすべてキッチュでキュート。
こんな規模のミュージカル映画は、現在の日本はもちろん、ハリウッドでもCGを使わずにはなかなか作れないはずだ。
いけいけドンドンの高度経済成長期だった1964ニッポン、その中にあっても異例の予算をかけた日本映画史のオーパーツのような作品。
まさに奇蹟であり、カルトな一本と言えるだろう。必見!