オルフェウスの窓

オルフェウスの窓

『オルフェウスの窓』(オルフェウスのまど)とは、池田理代子作の長編漫画。20世紀初頭のヨーロッパを舞台に、第一次世界大戦やロシア革命といった史実を織り交ぜて、ドイツ・レーゲンスブルクの音楽学校で出会った3人の若者の運命を描く。物語は大きく4部から構成され、舞台もレーゲンスブルクからオーストリアのウィーン、ロシアのサンクト・ペテルブルク、レーゲンスブルクへと変転する。第1部は『週刊マーガレット』1975年(昭和50年)第4・5号から1976年(昭和51年)第32号に掲載され、その後『月刊セブンティーン』1977年(昭和52年)1月号から1981年(昭和56年)8月号に掲載された。
1980年(昭和55年)に第9回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞している。1983年(昭和58年)には、宝塚歌劇団星組で舞台化された。

gakinkox5のレビュー・評価・感想

オルフェウスの窓
9

ドラマチックな少女漫画

この漫画は、「ベルサイユのばら」で有名な池田理代子さんの作品です。30巻と言う長さなので、登場人物の顔が初期の頃と後半でずいぶん違っているのはなかなか面白いです。物語の始めはドイツの音楽学校から始まります。主人公であるユリウス・レオンハルト・フォン・アーレンスマイヤは、実は女性であるけれども、愛人の子ということで男性として育てられます。この作者お得意の設定です。最初の舞台となる音楽学校にはオルフェウスの窓と呼ばれる窓があり、その窓を通して出会った男女が恋に落ちると、悲劇に終わると言う伝説があります。ユリウスとその窓で出会ったクラウス・フリードリヒ・ゾンマーシュミットは、本当の名をアレクセイ・ミハイロフというロシア人で、後にロシアに帰り革命に身を投じます。次に窓で出会ったイザーク・ゴットヒルフ・ヴァイスハイトは、妹を結核で死なせてしまったのち、音楽の都ウィーンで音楽家として活躍しますが、指が動かなくなる悲劇に見舞われます。ユリウスとクラウスは革命中のロシアで再会し、ユリウスはクラウスの子供を身ごもりますがクラウスは死んでしまいます。この漫画は非常に長いドラマですが、この作者特有の見所のある面白い漫画です。アニメ化されないのが残念ですが、内容があまりにも長いせいかもしれません。