ボーカルの声が唯一無二
2014年結成のヴィジュアル系バンドのザアザア。メンバーは、ボーカルの一葵(かずき)、ギターの春(はる)、ベースの零夜(れいや)、ドラムの亞ん(あん)の四人のバンドだ。
去年にドラムのロ弐(ろじ)が脱退し、その後すぐに亞んが加入して、活動を休止することなく続けてきた。
亞んが加入してから、ライブの移動中に高速道路で事故を起こし、亞んが圧迫骨折をする重傷を負ったもののリハビリをして復活。その後も活動を続け、2018年2月28日にシングル「赤色」を発売。最近のバンドでは珍しい、ジャムセッションで作り上げた作品は、他のバンドとは違った雰囲気があり、曲の世界に引き込む力がある。
特にボーカルの一葵の存在が大きいと私は考える。彼の持つ声は独特で、聴くものを魅了する不思議な力がある。俗に言う低音ボイスというものだが、変わった声をしておりザアザアが作り出す世界観にマッチしている。また、曲ごとに全く色の違う声色で歌い上げる表現力も素晴らしい。
曲自体は、重く暗い印象を受けるものが多いが、マルとバツに収録されている透明人間という楽曲では、その曲名の通り普段のザアザアのサウンドからは想像できないような透明感を感じることができる。
そんな両端を持ち合わせた彼らが5月23日に全国公開する、「のろいうた」。Youtubeにはスポットが公開されており、前作とは打って変わってホラーテイストな雰囲気だ。ザアザアの世界は見るものを飽きさせることなく、変化し続けている。そんな彼らが新しく作り上げた「のろいうた」。公開は少し先だが、期待よりはるかに上をいく作品なことに間違いはないだろう。これからも、独特な世界観を作り出す彼らの音楽に期待したい。