ソマリと森の神様

happyendのレビュー・評価・感想

ソマリと森の神様
10

温かい気持ちを呼び起こす、種族を超えた親子物語

本作は同名の漫画を原作としたテレビアニメです。
人間の少女ソマリと森を守る存在であるゴーレムの旅を描くファンタジーです。

異形たちが支配し、人間が絶滅の危機に瀕する世界のため、
ソマリに安心して過ごせる場所はありません。
ゴーレムには活動限界があるため時間の猶予はないものの、
ソマリを人間の元に届けたい一心で旅を続けます。

ソマリとゴーレムの二人に血のつながりはありませんが、
少しずつ本当の親子として絆を深めていく様は見ていて何度も心が動かされました。
感情のないはずのゴーレムが、自分の中に芽生える感情に戸惑いながらも、
父親としてソマリの成長を見守る姿は必見だと思います。

キャラクターは、人間のソマリにゴーレム、小鬼と様々な種族が登場します。
彼ら彼女らとの交流もあるのですが、胸が締め付けられ、目を背けたくなるような展開もあるので、
その点には少し注意が必要かもしれません。

色彩豊かな背景は、ファンタジー世界への没入感を高めています。
多彩な植物や動物たちが共存する森、異国情緒溢れる町や村、魔法使いが管理する大図書館など、
どれもが一切の妥協なく描かれていて、実在感を感じるほどです。

声優や楽曲についても目が離せません。
主人公ソマリ役には、水瀬いのり、ゴーレム役には小野大輔という人気声優が起用されています。
また、シズノ役には元宝塚男役の七海ひろき、ローザおばさん役にはタレントの柴田理恵。
オープニングテーマを手掛けるのは森山直太朗。
多方面で活躍する方々が関わっている所も、この作品の見どころです。

最後には温かい気持ちに包まれ、余韻に浸ることが出来ました。
是非見て頂きたい作品です。