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自信を持っておすすめできる映画
切なく美しい悲恋ものです。
とにかく二時間半と長く、途中退屈に感じられる部分もあるかもしれません。
とはいえ、さすがアカデミー賞9部門に輝いた名作、映像がなんとも美しく、最後は壮大なストーリーと音楽に呑み込まれ、見る者に滂沱の涙を流させる作品です。
舞台は第二次世界大戦の北アフリカ、美しい人妻とイギリス人の考古学者が、短くも激しい恋をします。
不倫、道ならぬ恋とはいへ、この映画ではなんとも切なく美しい恋として描かれています。
夫を大切に思いながらも別の人を愛してしまった妻の苦しみ、夫の嫉妬...結局、恋人は一方的に人妻から別れを切り出されるのですが、その後の恋人の狂いようなど、見ていて痛々しくなるほどです。
そして二人には悲劇が待ち受け、大きな不倫の代償を払うことになります。
ハッピーエンドとは程遠い悲劇の幕切れではありますが、見ていて共感させられるストーリーになっていますので、道ならぬ恋でもなんでもいい、死ぬ前に一度くらいは狂おしい恋をしてみたいと思った女性は少なくないのでは、と思います。
この映画にはもう一組のカップルも描かれていて、こちらはハッピーエンドで結ばれますので、後味は決して悪いわけではありません。
戦争を背景にした恋愛映画では数々の名作がありますが、この映画もその中の一つだと思います。