Mr.Childrenと桜井和寿という存在について。
ミスチルの魅力について説明するなら、ヴォーカルである桜井和寿のことを語らなければならないと思います。
ミスチルの楽曲のほとんどの作詞・作曲を彼が担当していますが、歌詞の一つ一つに対するストイックさにおいては群を抜いているのではないでしょうか。
時代の流行や社会現象にとても敏感でとにかく描写のリアルさが際立っています。
それは日本だけでなく、地球規模での問題をテーマに取り上げています。
9年前の東日本大震災の後に作られた『かぞえうた』という名曲があります。
内容はまさに鎮魂歌(レクイエム)のようです。
中でも、桜井さんの凄いところはただ、ただ哀しい歌で終わらせていない点です。
この歌は希望のうたなのだと彼は歌っています。
幾多の哀しみを乗り越えて、その先に見つけたのは希望の光。
あの状況下でこんなにも切実な歌を歌えるひとは他にはいません。
彼は一つ一つを数える、感情を噛みしめるように歌います。
その歌唱力もさることながら、その言葉一つに込められた想いは尋常ではありません。
スピッツの『みなと』という曲も震災後のことを歌って作られた曲なんですが、亡くなった人々の生命に対する尊さを表現しているという点では同じだと思います。
聴きくらべてみるのも感慨深いかもしれません。