Blu-BiLLioN / ブルビリ

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Blu-BiLLioN / ブルビリ
10

逆境を乗り越えるバンド

2020年4月5日に解散をするはずのバンドがいた。
それがレジスターレコーズ所属のBlu-BiLLioNだ。
彼らはバンドの節目となるライブで記録的大雪に見舞われ、バースデーライブでは台風で延期など、度重なる様々な不遇を乗り越えながら活動を行ってきた。
だが、ドラマーであるSeikaのジストニアが悪化し、2019年1月に活動休止。
同年5月に活動再開をするが、Seikaよりジストニア悪化のため脱退を申し入れるも「このメンバー以外では考えられない」と言う残されたメンバーの強い意志から惜しくも2020年をもって活動の幕を下ろすこととなった。
ボーカリストであるミケの歌声は、クリアで真っ直ぐな「歌もの」の楽曲に相応しいものであり、楽曲やサウンドはその歌声を引き立てるものが多く、心地良く耳触りの良いサウンドに恵まれている。
キラキラとした存在の彼らの楽曲は、自分たちの夢や目標を歌ったものから、ファンへ対するラブレターをはじめ、聴いた人の手を取って一緒に歩んでくれるあたたかさを感じる。
特に、音源化としては最後になってしまった「Best-BiLLioN」に収録されている「HOME」には、バンド自身だけでなくファンへの想いやメッセージも感じ取れる言葉が連なり、作詞者であるミケの強い意志や想いを感じた。
ライブでは、バンドのカラーである青いペンライトでファンがフロアを輝かせたり、タオルを回して走り回ることもある。EDMを取り込み「S.O.S.ダンス」と呼ばれるダンスをすることもある。
また、音源化された楽曲の多くがリメイクをされ、全く異なった印象を与えることもあり、楽曲が育てられていく楽しみを感じ取ることもできる。
ライブの代表曲である「Ready?」では、落ちサビではじめはミケがオーディエンスに向けて言っていた「上手のみんなでせーの!」などの煽りをファンであるcoloursが茶化して真似をすることが定着し、イベントライブなどで他のバンドのファンを驚かせることもあり、それもひとつの風物詩となっている。
楽しむことは勿論、バンドとファンの絆が強く互いに信頼し合っていることが伝わってくる、そんなステージを魅せてくれるBlu-BiLLioNの解散ライブツアーは、ツアーファイナルのチケットが即日完売したことにより、O-EASTでの追加公演が決定した。
また、新型コロナウイルスの影響によりツアー自体も中止の危機に直面したが、残り公演(大阪・名古屋・北海道・下北沢)は延期となった。
時は無限ではないが、Blu-BiLLioNによる無限の可能性を、20年以上最前線で活躍してきたSeikaのドラマー人生のすべてを、是非目撃しに来てほしい。