君の膵臓をたべたい / キミスイ / I Want to Eat Your Pancreas / Let Me Eat Your Pancreas

君の膵臓をたべたい / キミスイ / I Want to Eat Your Pancreas / Let Me Eat Your Pancreas

『君の膵臓をたべたい』とは、住野よるの青春小説。略称は「キミスイ」。2016年に本屋大賞で第2位となるなど高い評価を受け、2017年に実写映画化され、2018年にはアニメ映画にもなった。
映画の監督は月川翔、脚本は吉田智。浜辺美波と北村匠海のダブル主演である。原作とは異なるのは、原作にはない12年後の世界が描かれている点である。山内桜良を浜辺美波、「僕」を北村匠海が演じている。そのほか、小栗旬や北川景子らが出演している。
ちょっとしたことから桜良の死ぬまでにやりたいことに付き合わされるはめになった「僕」。桜良と出会ってから別れが訪れるまで、最初は面倒に思っていた「僕」の心境の変化と人としての成長を、北村匠海が見事に演じている。泣ける映画として話題となったこの作品の見どころは、ストーリーが大きく動く終盤である。なぜ膵臓で、なぜたべたいなのか。一見すると変わったタイトルではあるが、その理由を最後に知ることができる。

0gyk1689のレビュー・評価・感想

君の膵臓をたべたい / キミスイ / I Want to Eat Your Pancreas / Let Me Eat Your Pancreas
9

生きることについて考えさせられる

この作品は、タイトルから内容を想像することは難しいでしょう。
膵臓をたべたいってどういうことだろう、なぜ膵臓なのだろうと思う人も多いことと思います。答えを言ってしまうと恋愛ものです。膵臓に重大な病気を抱え、余命宣告をされている少女と、同じクラスの男の子の物語です。
実はこの作品、思い出をたくさん作りながらも最終的には病気で死んでしまうという、映画やドラマなどにありがちな、お涙ちょうだいの内容とはなっていないのです。最終的にはその少女は死んでしまうのですが、死因は病気ではないのです。ある突然の出来事によって、命を落としてしまうのです。このような展開は予想していなかったので、私は衝撃を受けました。
しかし、ただ見た人に驚きを与えるだけではありません。これには、作者の大きなメッセージが隠されていると思われます。
それは、人はいつ死んでしまうのか分からないので、一日一日を大切にして生きなければならないということです。例えば余命3ヶ月と宣告されたとします。しかしそれは、必ず3ヶ月は生きることができると保障されたわけではないのです。全く関係のない理由で、宣告された次の日に死んでしまう可能性もあるわけです。この作品は、このことを伝えているのだと思います。