現世におりたった本人は、進んだ時代をどう思うか?
舞台はドイツ、2014年の現世の時代。1945年に命を絶ったはずのヒトラーが、ここ現世へタイムスリップする物語。
テレビ局にフリーで雇われている主人公は、物まね芸人と思しきヒトラーと同行しながら物語が進んでいく。
ドキュメンタリー仕立ての映画に感じられた。
ジャンルはコメディとあるが、笑う要素はあまりなく、当時のドイツの時代背景、アドルフ・ヒトラーその人の生い立ちを背景に話は進む。
なので、この映画を見られる方は一度、戦時のドイツについての見識を深めてからご覧になると、より一層楽しめるかと思います。
ヒトラー扮する俳優さんの演技もかなり見どころで、鬼気迫るものを感じることができます。
そして、道中インタビューを交えていろんな方へ話を聞きながら話は進んでいく。
だが、快くインタビューを受ける方もいれば、中指を立てながら話に応じる方も見受けられた。
賛否両論とはこういったことを言うのだろうと感じている。
今の時代になっていても、70年たっていても、映画として制作していても。
人々の心にあるヒトラーの像、愛国心を持って自国を憂いている姿には、時代を通り越しても感じられる物があると思う。
いつの時代も自分たちの国に対して、真剣に取り組んでいる様は変わらず、そして国民が思うことに関しても変わりはないのかもしれない。