自称映画通の予想を裏切るラスト
ミストはかなり後味が悪い映画だと聞き、バッドエンドの映画もたまにはいいだろうと、その一点の情報だけはもって視聴しました。
映画が始まると、結構前の年代に撮影された映画なので、画質だったり怪物(作中でもあまりその正体については言及されず…軍が偶発的に生み出してしまった何か、らしい笑)のクオリティになんとも言えない気持ちになるものの、次第にストーリーに引き込まれていきました。
主人公達はスーパーに立てこもり、怪物との攻防を続けますが、勇猛果敢な主人公達はの試みは次々と失敗し、絶望的な状況が逆に味方し、カルトじみた発言を繰り返す婦人に従うおそろしい集団を作り出してしまいます。
そんな中、彼らの反対や邪魔立て、仲間の死を乗り越えて、主人公達は車を奪いスーパーを脱出するのです。しかしその後、車のガソリンは底をつき、目の前には見たこともない大きなサイズの怪物が現れ、今度こそ絶望してしまった主人公達は諦め、銃で自殺を図ります。そして玉が足りず一人生き残ってしまい、絶望に明け暮れる主人公の横を軍の車に救出された住人達が横切っていく...というラストでした。
胸くそ悪いラストだといわれているのは、ずっと果敢に敵に立ち向かい犠牲を出してきた主人公達(映画を見る私たちも当然こちらに感情移入します)が全く報われず、他の人のいいなりになって主人公達の足を引っ張り、邪魔をして、安全地帯にいた他の住民達は助かるという構図があるからでしょう。
他のレビューで、これは主人公側に自然と感情移入し、彼をヒーローとして見てしまっている私たち観客への皮肉だ、と述べているものがありました。僕はそうではなく、最後の最後で諦めてしまう事の怖さ、一度信念を持って行動したのならば最後まで貫き通さねばならない、という教訓なのかな、とも感じました。
狂信的に信じづける事が最後には救いになるのかなあと。住民達も、カルト婦人に流されたのがきっかけとはいえ、彼女の言葉を信じ切っていました。