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圧倒的な才能をこの世から失った無念
ニルヴァーナの曲を聴くたびに、リードボーカルのカート・コバーンが自らこの世を去ったことに対して憤りを感じます。
素晴らしいソングライティング、素晴らしい歌唱(と叫び)。
類稀なるミュージシャンだったことを思い知らされるからです。
何がカートを追い詰めてしまったのか。
そんな今さら考えても仕方ないことに、いつも思いを馳せてしまいます。
田舎町で生まれ、家庭環境に恵まれず、橋の下で暮らしていたような少年だったカートはロックスターになってしまうことには葛藤を抱え、有名になってからもボロボロの古着を着ていました。
しかし、どんなにカートがスターに祭り上げられることを拒否しようとも、その才能が、世界のど真ん中に彼を押し出してしまったのです。
そして、薄暗いグランジロックのバンドシーンを愛し、世界を拒絶する態度が皮肉にもカリスマ性を増す結果となります。
ボロボロの古着もクールなファッションとして映えてしまいました。
体の痛みを抱えていたことや、時代背景などを考えると、ドラッグを常用していたカートを責めることは安易にはできません。
しかし、ドラッグから離れることができていたら、行方をくらませた末に銃で自分の頭を撃ち抜くという、最悪の事態は避けることができたのではないかと思います。