ヨルムンガンド / Jormungand

ヨルムンガンド / Jormungand

ヨルムンガンド(Jormungand)とは、日本の漫画家・高橋慶太郎の作品。2006年5月に『月刊サンデージェネックス』(小学館)で連載が開始され、2012年2月に最終話を迎える。戦争で両親を殺されたヨナは、武器を売る武器商人を憎んでいた。しかしヨナは、ある事情から武器商人ココ・ヘクマティアルの部下として働くことになる。ココと彼女の仲間たちと共に世界を旅する物語が幕を開ける。

9araspatsumaのレビュー・評価・感想

ヨルムンガンド / Jormungand
8

現実的で非現実

「ヨルムンガンド」は武器を嫌うとある武器商人と武器を憎む一人の少年兵の物語です。武器商人といえばどことなく男性かとイメージすると思いますが、このアニメでは女性の武器商人が暗躍します。その女性武器商人が引き連れる仲間の中に、少年兵が加わることから物語はスタートします。なんといっても見どころの一つは、派手なアクションシーンです。一話目から展開されていくアクションシーンにすぐ引き込まれます。私たちは日頃、銃などの武器を手にすることはありません。しかし、一話目から丁寧な説明はなく、私たちにとって非日常な状況が突然描かれていきます。そのため余計に、この物語はこれからどういう展開を繰り広げていくのか、どんな物語なのか気になってしまうんです。
さらに、武器を嫌う女性武器商人が、どうして武器を売りさばくのか。彼女が最終的に求める世界はどんな世界なのか。武器を憎む少年兵は、なぜ武器を憎むのか。彼が武器を手に取るのはなぜなのか。ヨルムンガンドにはどんな意味があるのか。物語の重要な部分が、至るところに伏線として散りばめられています。最初はただのアクションアニメかと思うでしょうが、彼女たちが最後にみる世界には、切なさと強さを感じさせます。このアニメは、私たちが現実で関わりあうことはない、非現実の世界の物語です。武器を売りさばくなど考えることもおぞましいことです。しかし、彼女たちの物語を見ているうちに、彼女たちのしていることに共感してしまうことでしょう。あなたもアニメの中で、非現実的な経験をしてみませんか?