ギャグマンガ日和 / ギャグ日 / Gag Manga Biyori

ギャグマンガ日和 / ギャグ日 / Gag Manga Biyori

『ギャグマンガ日和』とは、増田こうすけによるギャグ漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。『月刊少年ジャンプ』にて2000年から連載が始まり、2007年から後継誌である『ジャンプスクエア』に移動した。
増田こうすけが作り上げた架空のキャラクターや、増田こうすけによる脚色が入った歴史上の人物が奇天烈な行動を巻き起こしていく。

isamismのレビュー・評価・感想

ギャグマンガ日和 / ギャグ日 / Gag Manga Biyori
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『ギャグマンガ日和』の魅力は真似できない風刺の一貫にある!

(はじめに)
今回は『ギャグマンガ日和』のみどころと魅力を余すところなくご紹介していきます!
この漫画としての凄さと奥深さ、さらにギャグマンガを超えた哲学的な魅力を持っているという、普通の漫画にはなかなか見られない特徴などまでご紹介しましょう。
『ギャグマンガ日和』というのは増田こうすけ氏によるギャグコメディ漫画として知られ、2016年以降は「ジャンプスクエア」に引っ越しした人気漫画(アニメ)の1つです。
人気のキャラクター、ストーリーの秀逸、コメディ風刺の利いた魅力的な一貫性、どれをとっても、日本のギャグ漫画の中でもかなり上位に来る渾身の傑作と言って過言ではありません。

●『ギャグマンガ日和』の本領とは!?
本作では、小難しそうな社会風刺モノでも簡単わかりやすく説明し、子供でも十分楽しめる共有性の強いテイストになっています。
4コマ漫画の中に、まるで30ページほどの漫画のストーリーが集約されたような、そんな感じです。テーマの彩り方・表現法が非常に巧みかつ秀逸です。
そのような独自のテーマに生かす上、誰にでも共感を持たせながら一貫した魅力を持ち合せ、さらに気軽に読める軽量サイズが嬉しい魅力ですね。
絵は大して上手くありませんが、それでも見やすさを重視したクリアなタッチが「読みやすさ満開」の感を引き立てます。
【魅力その1:結末の方法が秀逸】
本作で何度も登場する「夢のかけらシリーズ」でもお馴染みの展開ですが、どんな内容・ストーリー運びでも「その終わらせ方が激スピード的」「まとめ方がきわめてシュール」「真似できない話の持って行き方」いった結末の面白さを引き立てます。
この場合もショートショートの読み切りの形が取られやすく、作者の世界観・ストーリー展開の巧さをもって「なるほどこんなふうに展開するのか・まとめられるのか」という(不思議にも)納得させられる一品に仕上がっています。
壮大なテーマでも、本作にかかればその世界観は、すべて意味深な終局へ向けて前進していき、最終的には訳が分からないながらも、納得のいく結末に落ち着きます。
『ギャグマンガ日和』は小物の使い方がきわめて上手いです。
このような展開運びの巧みに実力があり、その点で多くの読者を魅了することでしょう。
【魅力その2:キャラを知っているから面白い】
なんとなく本作では「歴史上の偉人」を取り扱ったものが多いです。
そのぶん共感させられる展開運びとなり、読者にとっても共通の知識から面白さが引き出されることでしょう。
これまでの自分の過去歴から掘り起こされた偉人とされる大人物たちが、増田こうすけ氏の天才的な手によって、珍妙なキャラ立ちに変容させられることになります(この点が美味です)。
「知っている歴史上の人物」をキャラに設定する上で、さらにギャグマンガならではの面白さを痛快の形で紹介するため、たいていの読者にとってはそのストーリーを最後まで楽しめる醍醐味が期待できます。
このような、既存の出来事・既知の人物を扱った上での醍醐味も本作ならではの面白さにあり、読者層を広げられる強力な設定・アイテムとして認められるでしょう。
本作では、1つのストーリーがショートショートで展開されるため、簡略化されて読みやすいです。読みやすいということは、分かりやすいということです。
このような展開をどのページからでも俯瞰でき、「次のストーリーが読みたい!」と言わせてくれる、本作ならではのページに隠れた宝物を与えられるでしょう!
【魅力その3:主人公と運命を協働させられやすい】
この点も本作ならではの大きく、そしてデリケートなポイント・魅力になります。
本作で登場する多くの主人公は、たいてい、読者が普通に目にしきている多くの情けない人物描写に仕上げられています。つまり情けない人が主人公の冠をかぶれるわけです。
臆病な性格をしていたり、社会的地位が極度に低かったり、何事にも消極的だったり、または友達がまったくいなかったりと、普段私たちが生活する中で「必ず一度は見かける人」を主人公に仕立てて描いています。
経済的に貧しかったり、極端に性格が卑屈であったり、とにかくありとあらゆる不甲斐性の主人公(特に男)が、とても貴重なエッセンスをもって描かれていきます。
非常に現実・リアルな主人公像を仕立てておいて、メンヘラ的な要素を含ませながらも、そこはさすがにギャグマンガ、その落胆だけで終わりにはしません。特徴のないストーリーな筈なのに、そこから異常に感情移入させられる展開になっていきます。
このような「主人公足り得ないキャラを主人公に仕立てる」というところになぜか共感が得られやすく、これらの描写が逆に「読者への励まし」に置き換えられる点がさらに興味への前進に拍車を掛けてくれるでしょう。

【まとめレビュー】
いかがでしょうか?
『ギャグマンガ日和』という漫画は果して誰でも楽しめる一品の作品です。
少しでも本作の面白さに気付いたあなたは、それを一度手に取って、眺めてみる運命にあると言えるでしょう。
さらに本作の大きな特徴には「セリフ回しの快調・流ちょうさ加減」が目白押しな感じで、登場人物の奇抜なセリフ回しや珍妙さと聡明な革新があり、その点での読み応えも十分与えてくれることでしょう!
ストーリーそのものは軽量ですが、その内容の向かうゴールとテーマは、かなりの濃厚度を誇ります。
おまけにさらっと読めてしまえる内容にそのような濃厚なエッセンスがあるので、子供から大人までが自由に楽しむことができる、おやつ感覚の一作になるでしょう!ぜひこれを機会に一度手に取って読んでみて下さい!
ハマる人は確実にハマり、ハマらない人は一生かけてもハマらないでしょう。