娯楽を追求した実に明るいムードの快作
アメリカコミックヒーローの実写化マイティ・ソーシリーズの3作目にして、主役のソーも登場しているアメコミヒーロー大集結作品アベンジャーズシリーズ第2弾エイジ・オブ・ウルトロンの続編にあたります。
本作ではソーシリーズ全2作からスタッフが一新されていて、全2作では全体的にシリアスなムードが漂っていましたが、本作では一転娯楽を追求した実に明るいムードの快作に仕上がっています。
そのムードを象徴するように、ソー自体の性格も陽気で、お喋りかつユーモラス溢れる印象になっています。エイジオブウルトロンで行方不明になっていたバーナー博士こと、巨人ハルクも原作ではその生い立ち故アベンジャーズシリーズにおいてもシリアスなムードを漂わせていましたが、本作は彼も明るめの性格になっていて驚きでした。
更にソーの義弟にしてライバルにあたる邪神ロキも今回は全体的にギャグタッチなキャラクターになっていて、これまで散々裏切り行為を行ったゆえソーがロキに裏切り慣れた様子がなんとも面白い場面となりました(笑)。
今回はソーは父を殺され、愛用の武器のハンマーを敵に砕かれ、ならず者の星に飛ばされるやそこで自慢の長髪を刈り取られ、最終決戦では右目も失い隻眼にされ、勝利の為とはいえ、故郷であるアスガルドすら滅亡するという、なんとも悲惨な目にあっていますが、心なしか、本作の痛快なムードはそういう悲惨さを感じさせない前向きな姿勢を感じました。