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30日の業が長い
刀を捨てた侍が、若君を30日以内に笑わせられなければ切腹の30日の業に挑むという話です。監督は松本人志で、主役は人間観察ドキュメント、働くおっさん人形に出ていた野見隆明さんです。野見さんは、もともとサラリーマンで松本人志に見出された人でほぼ素人の人なので、演技は周りが助けるスタイルをとっていて、普通のおっさんが体をはった芸をして、そこが面白くもあり切なくもある作品だと思います。でも、何個も何個も体をはった芸を見せられても正直疲れるし、あまり面白くありません。やっぱリアクション芸はテレビのものだと思うし、映画でやるのは、ちょっと違うんじゃないかなと思います。あと、野見さんがあまり喋らないから、まわりが、こういうことですかとかいうのも説明台詞っぽいし、ちょっとよくないです。そりゃ彼にしかない素朴さとか、あの表情は作り物じゃできないとかあると思いますが、それは役者を舐めすぎだと思います。そういう性格の人を演じるのが役者だろうと思います。あと、オチも私はあんまりでした。結局、最後に芸とは関係ないところで、さや侍の意図とは違う形で若様が笑って助かる→武士のプライドを捨てたさや侍かっこいいってオチのほうがいいと思いました。