103歳の現役アーティスト 篠田桃紅さん その凛と背筋の伸びた生き方に憧れます
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今年103歳になられた美術家の篠田桃紅(とうこう)さん。著書「103歳になってわかったこと」は現在ベストセラーになっています。年齢にとらわれず、「毎日が新しい」と日々創作活動に打ち込む姿に魅了される人々が続々!桃紅さんの含蓄ある数々の言葉と作品を紹介します。
簡単な略歴
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篠田桃紅さんは、1913年(大正2年)生まれ。
書家としての土台は、少女時代に父親から教えられた書道だったそうです。
30歳で古典書家としてデビュー。
42歳で単身渡米し、NYで作品を発表。当時の日本女性としては異色のプロフィールです。
その後、墨書だけでなく、金箔や朱泥を使用した書、壁画、レリーフ画などジャンルにとらわれない幅広い創作活動を日本国内で続けていらっしゃいます。
お若い頃の創作風景
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上は創作中のお姿。
下は展示された作品の前に立たれる桃紅さんです。
今風な言い方をするならば、「目力」のある、しゃっきりとした美しい方ですね。
作品 Etude
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桃紅さんの作品2点。
墨の濃淡、にじみ、金箔、朱泥などを使った「動と静」のバランスが素晴らしい作品です。
作品 Dawn
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桃紅さんが語った心に残る言葉
さて、ここからは主に桃紅さんがこれまで著書の中で綴られた「折々の言葉」の中から、特に印象に残ったフレーズを紹介します。
おそらくご本人は、自分の生き方を「自己啓発」的に用いられることなぞ「まっぴらごめん」と思っておられるかもしれませんが、若輩者からすると、「すごいなぁ」とため息が出るような、宝石のように光り輝く言葉とたくさん出逢えたので、どうしてもお伝えしてみたくなりました。
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人間の一生は、どんなにやってもやり尽くした、ということにはなりません。これで完ぺきだ、と思える域に到達することもできません。生きているかぎり、人生は未完。
これまで私は長寿を願ったことはありません。淡々と生きてきました。今でも、死ぬまでにこういうことはしておきたいなど、なに一つ考えていません。いつ死んでもいい、そう思ったこともありません。人が生まれて死ぬことは、考えてもわかることではありません。
自然のはからいによるもので、人の知能の外、人の領域ではないと思うからです。死んだあとの魂についても、様々な議論がありますが、生きているうちは確かなことは分かりません。
人の領域ではないことに思いをめぐらせても、真理に近づくことはできません。それなら一切を考えず、毎日を自然体で生きるように心がけるだけです。
私は24歳で実家を出てから、ずっと一人で暮らしていますが、孤独を当たり前だと思っています。一人の時間は特別なことではなく、わびしいことでもありません。誰かが一緒にいないと寂しくてたまらない、と思ったこともありません。ごく自然に、一人でいることを前提に生きてきました。
また人に対して、過度な期待も愛情も憎しみも持ちません。そもそも、人には介入するものではないと思っています。
歳相応という言葉がありますが、人を批評するのに年齢はたいへん便利な言葉です。私は歳には無頓着です。これまで歳を基準に物事を考えたことは一度もありません。何かを決めて行動することに歳が関係したことはありません。自分の生き方を年齢で判断する、これほど愚かな価値観はないと思っています。
真正面だけではなく斜めからも見てみる。新たな魅力があるかもしれない。ー人と人の関係も、うしろからもよい、横からもよい。
幸福になれるかは、この程度でちょうどいいと思えるかどうかにある。ーいいことずくめの人はいない、一生もない。
夢中になれるものが見つかれば、人は生きていて救われる。ー頭で納得しよう、割り切ろうとするのは思い上がり。
受け入れられるか、認められるかよりも行動したことに意義がある。ー人の成功を見届けてからの、あと出しじゃんけんではつまらない。
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最後に
誰でもが真似できるわけではないけれど。
そのすくっとした佇まいに憧れる人は多いと思います。
人生の先達というのはやはり素晴らしいものです。