第Ⅲ部が待ちきれなくて悶える「革命のリベリオン」

「心霊探偵八雲」で有名な作家、神永学さん著の「革命のリベリオン」第Ⅲ部が待ちきれなくて悶えている方が多くいらっしゃいます。今まで探偵ものが多いイメージだった神永氏が作家デビュー10周年に満を持して発表した力作、その魅力の内容をご紹介します。

革命のリベリオン「第Ⅰ部:いつわりの世界」

新潮社より2014年8月に刊行された「革命のリベリオン」第Ⅰ部

持てる者たちと持たざる者たち

時間軸の設定は近未来、場所は日本。津波によって危機を迎えた日本は速やかに復興する手段として、一人の科学者が考案した「DNA解析システム」を採用します。それは当初、適材適所に人を振り分けるためのものでしたが、いつしかそれによって人の優劣を決めてしまうものになってしまいます。DNAランクの高い富める者達は東京湾上にあるフロートアイランドに住み、低い者達は復興中に放置された旧東京23区のスラムで生活するしかありませんでした。この格差社会からストーリーは始まります。

イメージは「巌窟王」

最下層階級の少年「コウ」が陥れられて危機的状況になった所から知識と技を手に入れ、偽りで成り立っている格差社会を正してゆくという筋書きは、作者がコンセプトとした「巌窟王」(モンテ・クリスト伯)の未来型アレンジといったイメージを感じます。他にも、日中はエリート学生で夜は仮面の男になり権力者やテロリスト達を裁く所などは「怪傑ゾロ」を彷彿とさせます。

リベリオンとは「人型機動兵器」

「リベリオン」と言うと、2002年にクリスチャン・ベール主演で公開された映画をパッと思い出します。本の表紙で主人公が白い服を着ているので、更に。映画のリベリオンは肉体を限界まで鍛え上げ銃と一体化させた「ガン・カタ」というめちゃめちゃカッコイイ技を使いますが、このリベリオンは、なんと「人型機動兵器」なのです。4メートル級の人間搭乗型ロボットと言うと、「ガンダム!?」とか連想してしまいます。あれはもっと巨大ですけど。

怒涛の展開と張りまくりの伏線

神永氏の文体は元々テンポが良く、とても読みやすいのですが、この「リベリオン」は更にスゴく、スピード感を感じます。あれよあれよと話が進んでゆく為、皆さん「読みだしたら止まらない~」という方続出です。しかも登場するキャラクターが揃いも揃って曲者です。様々な思惑が絡み合って、どういった展開になるのか読めない所がまた堪らない魅力ですね。しかし発刊ペースは年一なので、ファンの方々はお預けを食らったペット状態で悶え中です。
早く第三部をお願いしたいものです。
そしてこの面白さ、アニメ化や映画化も期待出来ると思います。その内実現するかもしれませんね。期待して待ちましょう。

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