第Ⅲ部が待ちきれなくて悶える「革命のリベリオン」
「心霊探偵八雲」で有名な作家、神永学さん著の「革命のリベリオン」第Ⅲ部が待ちきれなくて悶えている方が多くいらっしゃいます。今まで探偵ものが多いイメージだった神永氏が作家デビュー10周年に満を持して発表した力作、その魅力の内容をご紹介します。
革命のリベリオン「第Ⅰ部:いつわりの世界」
持てる者たちと持たざる者たち
時間軸の設定は近未来、場所は日本。津波によって危機を迎えた日本は速やかに復興する手段として、一人の科学者が考案した「DNA解析システム」を採用します。それは当初、適材適所に人を振り分けるためのものでしたが、いつしかそれによって人の優劣を決めてしまうものになってしまいます。DNAランクの高い富める者達は東京湾上にあるフロートアイランドに住み、低い者達は復興中に放置された旧東京23区のスラムで生活するしかありませんでした。この格差社会からストーリーは始まります。
イメージは「巌窟王」
最下層階級の少年「コウ」が陥れられて危機的状況になった所から知識と技を手に入れ、偽りで成り立っている格差社会を正してゆくという筋書きは、作者がコンセプトとした「巌窟王」(モンテ・クリスト伯)の未来型アレンジといったイメージを感じます。他にも、日中はエリート学生で夜は仮面の男になり権力者やテロリスト達を裁く所などは「怪傑ゾロ」を彷彿とさせます。
リベリオンとは「人型機動兵器」
怒涛の展開と張りまくりの伏線
神永 学 illustration by 土林 誠『革命のリベリオン』|新潮社
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