三匹のおっさん(有川浩)のネタバレ解説・考察まとめ

『三匹のおっさん』とは、有川浩による小説、およびそれを原作としたドラマなどのメディアミックス作品である。還暦を迎えたかつての悪ガキ三人組、キヨ、シゲ、ノリが私設自警団を結成し、近所の悪を成敗する。テレビドラマ版はテレビ東京系でシリーズ化され、同局史上初の平均視聴率二桁を記録する大ヒットとなった。2015年にはドラマ版キャストで舞台化もされた。世代間ギャップや定年後の人生を温かな視点で描き、家族で楽しめる痛快な人情エンターテインメントである。

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『三匹のおっさん』の概要

『三匹のおっさん』とは、有川浩による小説、およびそれを原作としたテレビドラマや舞台などのメディアミックス作品である。原作は、2008年3月号から2009年1月号まで『別册文藝春秋』で不定期に連載され、2009年3月16日に文藝春秋から単行本が刊行された。2011年3月号からは続編である『三匹のおっさん ふたたび』が『別冊文藝春秋』で連載され、2012年3月29日に単行本が出版された。

還暦を迎えたかつての悪ガキ三人組が、近所に蔓延る悪を成敗する姿をユーモアたっぷりに描いた連作短編形式の物語であり、タイトルは時代劇『三匹が斬る!』に因んで付けられた。物語は、定年退職を迎えた剣道の達人キヨこと清田清一が、「おじいちゃん」扱いされることに抗いながら、柔道家のシゲこと立花重雄、工場経営者のノリこと有村則夫と共に私設自警団を結成するところから始まる。それぞれが持つ特技と、長い付き合いで培われたチームワークを武器に、引ったくりやカツアゲ、詐欺といった身近な事件に立ち向かう。家族や孫との世代間のギャップ、定年後の第二の人生といった現代的なテーマを、有川浩らしい温かな視点と痛快なアクションを交えて表現している。

テレビドラマ版は、2014年から2019年にかけてテレビ東京系でシリーズ化された。主演を北大路欣也、共演を泉谷しげる、志賀廣太郎が務めている。
第1シリーズは同局のドラマ史上初となる全話平均視聴率二桁を記録し、東京ドラマアウォード2014で特別賞を受賞するなど社会現象を巻き起こした。当初は原作のエピソードを元にしていたが、第2シリーズ以降は原作者との打ち合わせを重ねたオリジナルの物語が展開され、当時の世相を反映したテーマも積極的に取り入れられた。
2015年には舞台化も果たしており、北大路欣也らドラマ版と同じキャストによって東京、大阪、名古屋で上演された。
本作は、三匹の絆と変わらぬ正義感を通して、世代を超えて楽しめる人情味溢れるエンターテインメントである。

『三匹のおっさん』のあらすじ・ストーリー

三匹のおっさんの誕生

地元ゼネコンを定年退職したばかりの清田 清一(きよた きよかず/通称:キヨ)は、剣道の達人でありながら、世間から「おじいちゃん」扱いされることに強い違和感を抱いていた。二世帯住宅で同居する息子の健児(けんじ)夫婦や孫の祐希(ゆうき)との関係にも頭を悩ませていたキヨは、60歳の誕生日に還暦祝いとして赤いちゃんちゃんこを着せられ、さらに大切にしていた剣道場を潰す計画を聞かされて激怒し、家を飛び出してしまう。

キよが向かった先は、かつて「三匹の悪ガキ」として共に過ごした幼馴染、元柔道家の立花 重雄(たちばな しげお/通称:シゲ)が営む居酒屋「酔いどれ鯨」であった。そこに工場経営者の有村 則夫(ありむら のりお/通称:ノリ)も合流し、三人は酒を酌み交わしながら現状への不満を語り合う。翌朝、まだ老け込むには早いと考えたシゲの提案により、三人は私設自警団「三匹のおっさん」を結成。町内の平和を守るためのパトロールを開始した。

家族を巻き込む悪党との対決

嘱託としてアミューズメントパークでの再就職を果たしたキヨは、職場の帳簿に不審な金の流れがあることに気づく。店長が昔の悪友であるチンピラたちに脅され、売上金を上納させられていたのだ。キヨが現場に踏み込んでチンピラたちを追い払ったものの、逆恨みした彼らはキヨへの復讐として、同じ店でアルバイトをしていた孫の祐希を標的に定める。

チンピラたちは店長を利用し、予定外のシフトで呼び出した祐希に売上金を運ばせ、袋叩きにして奪おうと画策する。日付感覚のズレから虚を突かれたキヨたちだったが、危機一髪のところで現場に到着。キヨ、シゲ、ノリはそれぞれの特技を活かした見事な連携で祐希を救出し、悪党たちを成敗した。事件解決後、キヨは祐希から「おっさんに見えないためのファッション」を伝授され、妻の芳江(よしえ)に見守られながら、三人はさらなる悪に立ち向かっていく決意を新たにする。

『三匹のおっさん』の登場人物・キャラクター

夜回り自警団「三匹のおっさん」

清田 清一(きよた きよかず/演:北大路欣也、平松來馬(少年期)、市川理矩(高校時代))

通称キヨ。本作の主人公の一人。地元ゼネコンを定年退職し、現在は系列会社が経営するアミューズメントパーク「エレクトリック・ゾーン」に嘱託社員として勤務している。
孫の祐希とは同じ職場。父親から引き継いだ自宅敷地内の道場で剣道を教えていた師範であり、長年鍛錬を積んでいるため、還暦を過ぎても長身で姿勢がよく、スタイルも非常に綺麗である。
子供時代は地元で「三匹の悪ガキ」と呼ばれた仲間のリーダー格だった。再就職後、孫の祐希から「オッサンでいたいならファッションを変えろ」と指摘されたことをきっかけに、クローゼットの中身を一新するなど、おしゃれなおっさんへの道を歩み始める。

立花 重雄(たちばな しげお/演:泉谷しげる、舩﨑飛翼(少年期))

通称シゲ。本作の主人公の一人。居酒屋「酔いどれ鯨」の元店主。現在は息子の康生に店を譲り、仕込みなどの手伝いをしている。
三匹の中では「武闘派」を担い、若い頃には国体に出場したほどの実力を持つ柔道家である。常に黒いジャージを愛用しており、ガタイがよくガニ股なのが特徴。少々口が悪い江戸っ子気質で、相手が誰であろうとお構いなしに怒鳴りつける激しい気性の持ち主だが、孫の奈々には目に入れても痛くないほどメロメロである。将棋が趣味で、毎月将棋雑誌を欠かさず購入している。

有村 則夫(ありむら のりお/演:志賀廣太郎、藤村真優(少年期))

通称ノリ。本作の主人公の一人。電機関係の町工場「有村電業」を経営する現役の社長。
三匹の中では「参謀役」であり、背が低くひょろっとした眼鏡姿が特徴。脱サラして工場を始めた苦労人で、機械工作に非常に強い。妻を早くに亡くしており、娘の早苗と二人暮らし。
普段は穏やかだが、愛娘の早苗のことになると性格が一変し、彼女を襲った痴漢を自作の改造スタンガンで半殺しにするほどの過激な一面を持つ。そのため祐希からは「三匹の中で一番危ないおっさん」と恐れられている。見回りの際には、威力を上げた改造スタンガンなどの「暗器」をロングコートの下に忍ばせている。

清田家

清田 芳江(きよた よしえ/演:中田喜子、後藤郁(高校時代))

キヨの妻。旧姓は長沢。「三匹の悪ガキ」三人衆とは幼馴染の間柄。非常に豪胆かつ一本気な性格で、曲がったことが嫌い。
息子の嫁である貴子とは、その世間知らずでワガママな振る舞いや、夫である健児を尻に敷いている様子が気に入らず、しばしば激しい対立を繰り広げている。

清田 健児(きよた けんじ/演:甲本雅裕、田島隆聖(少年期))

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