テレビ化もされた有川浩さんの『三匹のおっさん』の魅力
有川浩作の『三匹のおっさん』は単行本・文庫本化を経てラジオドラマやテレビドラマ化、舞台化までされる大人気小説である。
2012年に続編である『三匹のおっさん ふたたび』が刊行された。
そのあらすじを簡単に紹介する。興味がある人はぜひ、近くの書店や図書館に足を運んでいただきたい。
『三匹のおっさん』 あらすじ・ストーリー
3月に職場で定年退職を迎えた清田 清一(きよた きよかず 通称:キヨ)は自分が世間でいう「おじいちゃん」の枠に入れられることに不満を持っていた。
誕生日での祝いの席に二世帯住宅の2階部分に住んでいる息子夫婦に「赤いちゃんちゃんこ」を着せられた上に長年、清一がやっていた剣道の道場を潰す話を持ち掛けられ、家を飛び出す。
清一が行きついた先は子どものころからの腐れ縁でかつては「三匹の悪ガキ」と評された、元柔道家の立花 重雄(たちばな しげお 通称:シゲ)が営む「酔いどれ鯨」という居酒屋であった。そこに工場経営をしている有村 則夫(ありむら のりお 通称:ノリ)も加わり昔話と愚痴を展開する。
翌朝、シゲから面白い提案をされる。
シゲたちもキヨ同様に「おじいちゃん」の枠にはまだ入りたくないから近所のパトロールをやらないか というものであった。
「三匹の悪ガキ」改め「三匹のおっさん」の誕生である。
そうして「三匹のおっさん」は近所に潜むさまざまな”悪”を解決していくのであった。
登場人物・キャラクター
清田家
清田 清一 (キヨ)
本作の主人公の一人。剣道を長年しているだけあり姿勢もスタイルも綺麗である。
嘱託としてアミューズメント施設「エレクトリック・ゾーン」に勤務する。孫の祐希と同じ職場。
祐希に「オッサンでいたいならファッションを変えろ」と言われ教えを請うことになる。
芳江(よしえ)
清一の妻。「三匹の悪ガキ」とは全員幼馴染。
健児(けんじ)
清一の息子。気弱であり妻に頭が上がらない。
貴子(たかこ)
健児の妻。お嬢様育ちで姑である芳江としばしば対立している。
祐希(ゆうき)
清一の孫。最近の高校生らしく髪を染めている。
清一に助けられたことがきっかけで「三匹のおっさん」の活動に深くかかわることになる。
後に、ノリの娘である早苗と付き合うことになる。
立花家
立花 重雄(シゲ)
本作の主人公の一人。自身が営む居酒屋「酔いどれ鯨」の元店主。現在は息子の康生に店を任せている。
柔道を得意としており、若いころに国体に出たほどの実力者。
登美子(とみこ)
重雄の妻。詐欺に遭い騙されそうになるが寸前で重雄たちが食い止めた。
康生(こうせい)
重雄の息子で現在の「酔いどれ鯨」の店主。かつては年がら年中ジャージの重雄を嫌っていた。
理恵子(りえこ)
康生の妻。康生とともに店を切り盛りしている。
立花家では一番「強い」
奈々(なな)
重雄の孫。重雄のアイドルである。
有村家
有村 則夫(ノリ)
本作の主人公の一人。祐希に「三匹の中で一番危ないおっさん」と恐れられている。
工場経営をしているだけあって機械に強い。
妻は早苗を産んでから亡くなっており、早苗と二人暮らしである。
娘を溺愛しており、娘を襲った痴漢をスタンガンで半殺しにするほどである。
早苗(さなえ)
則夫の娘。則夫とはかなり年が離れている。
有村家の一切の家事を引き受けているが、本人はコンプレックスに思っている。
祐希と付き合っている。