東京と異世界の融合ライトノベル 『はたらく魔王さま』
東京の笹塚に居を構える「真奧貞夫」と「芦屋四郎」はごく普通の青年に見えるが、実は、異世界、エンテ・イスラを恐怖に陥れた「魔王サタン」とその腹心「アルシエル」である。
ひょんなことから東京の笹塚に住むことを余儀なくされる。
いつか、エンテ・イスラを征服することを夢見ながら、アルバイトに精を出す日々が続いている。
その日常を描いたライトノベルが、「はたらく魔王さま」である。
「はたらく魔王さま」は和ヶ原聡司によるライトノベルであり、2015年12月現在、15巻が既刊(0~14巻)
簡単なあらすじと主要な登場人物を紹介する。
あらすじ・ストーリー
聖十字大陸エンテ・イスラを征服するべく魔王サタンを筆頭に4人の悪魔大元帥を率いて攻め入ったが、勇者エミリアの一行に追い詰められる。魔王サタンは腹心の悪魔大元帥アルシエルとともに異世界にゲートを使い逃亡する。
そのゲートの行きついた先が東京の笹塚であった。そしてサタンの体もアルシエルの体も人間になっていたのだ。
魔王たちは今まで魔力を使い生活してきたが、日本は「魔力」という概念が存在しないので当面の生活は日本の若者と同じくアルバイトをして食い繋ぐほかなかった。
現代ではなかなかお目に掛かれない六畳一間風呂なしアパート「ヴィラ・ローザ笹塚」に居を構え、魔王サタンは「真奧貞夫」として、アルシエルは「芦屋四郎」として生活をはじめる。
やがて、役割分担をしたほうが効率がいいと気づいた真奧たちは、真奧がファーストフード店でアルバイトをし、芦屋が主夫兼魔力回復の情報収集という形になっていく。
一方、魔王たちを追って笹塚にたどり着いた勇者エミリアもまた、天界の力「聖法気」を蓄えることが出来ないため、「遊佐恵美」としてアルバイト生活をしていた。しかし、遊佐は真奧よりも時給がいい携帯電話会社のテレアポで働いていた。
真奧に恋をするアルバイト先の後輩である女子高生の「佐々木千穂」や、あることを目論んで日本にやってきた悪魔大元帥の一人である「ルシフェル(漆原半蔵)」が現れたり、更にはエンテ・イスラの聖職者「クレスティア・ベル(鎌月鈴乃)」が現れたり、真奧のみならず遊佐さえも殺そうとする人物たちも現れる。
登場人物・キャラクター
サタン・ジャコブ(真奧貞夫)
魔界を統べる魔王。エミリアに追い詰められ腹心・アルシエルとともにゲートでの撤退を余儀なくされる。
人間の姿になってしまい、魔力が回復できないことからアルバイト生活に精を出す。
「ヴィラ・ローザ笹塚」に居を構え、名を「真奧貞夫」と変える。
マグロナルド幡ヶ谷店のアルバイト店員になり現在は時間管理責任者を任されるまでになった。
日本の戸籍上は20歳になっているが実際の年齢は300歳を超えている。
アルシエル(芦屋四郎)
魔王四天王であり、悪魔大元帥の一人。以前は魔王と敵対関係にあったが、戦いの末魔王に敗れた後は魔王のもとに付き現在では魔王の腹心の部下である。
東京に来た当初は真奧とともにアルバイトをしていたが、役割分担をし、専業主夫兼情報収集をしている。主夫業をしているだけあり家事スキルは非常に高い。
家計を任されているので無駄遣いにはうるさく、無計画で無駄なものを買う漆原とはいつも口論が絶えない。
ルシフェル(漆原半蔵)
魔王四天王であり、悪魔大元帥の一人。元は「暁の子」と言われた大天使筆頭であったが「暇だから」という理由で堕天。
東京に来て真奧と遊佐の命を狙おうとするも返り討ちに遭い、失敗。
行く当てもなかったところを真奧に拾われ「ヴィラ・ローザ笹塚」で居候の身になる。
大手を振るって外を歩ける身分ではないためニート生活をしている。真奧からノートパソコンを買い与えられるも通販などで無駄遣いばかりしているため芦屋とよく口論になっている。自身を「一流のニート」と称している。
エミリア・ユスティーナ(遊佐恵美)
教会騎士の勇者であり、魔王を追い笹塚に来た。
勇者もまた魔王同様に天界の力「聖法気」を蓄えることが出来ないため、アルバイト生活である。
遊佐は真奧より時給の良い携帯電話会社ドコデモのテレアポとして働いていたが、「ある事情」でクビになり今では真奧と同じマグロナルド幡ヶ谷店で働いている。
クレスティア・ベル(鎌月鈴乃)
見た目は清楚な和服美人で非常に可愛らしく言葉使いも旧家のお嬢様風である。
しかし、その正体はエンテ・イスラの大法神教会 訂教審議会 筆頭審問官であった。
「あること」がきっかけとなり素性を隠し、真奧たちの隣の部屋に引っ越してくる。
真奧たちの暗殺を謀り、遊佐をエンテ・イスラに連れて帰ることが目的だったが、結果的に暗殺を断念し、真奧たちや遊佐と笹塚で暮らすこととなる。エンテ・イスラから高価な宝石などを持ってきておりそれを換金したおかげで当分は働かなくていいほどの貯えがある。
東京の笹塚に来る際に、事前に日本のことを学んできていたのだがその知識は昭和で止まっている。
佐々木千穂
真奧のアルバイト先の後輩で真奧と恵美の正体を知る人間。愛称は「ちーちゃん」
真奧に恋をしていて真奧の正体を知った後もその気持ちは変わっていない。
頭の回転が早く聡明であり、鈴乃から「立派な法律家になれる」と評されている。
本来、敵対関係である真奧と恵美の中を上手くとりもっており、異世界の友人たちが仲良く暮らせる世界を切望している。