狂人?天才?ひきこもりの偉大な芸術家ヘンリー・ダーガーの脳内王国

貧しく孤独な雑役夫として生きたヘンリー・ダーガー。
死の直前に発見された作品群はアート界のみならず、
世界中に衝撃を与えました。生涯童貞で女性の身体を
知らなかったとされるダーガーが描いた少女たちには、
なんと男性器が付いていたのです。

天涯孤独の老人の部屋から発見されたアート作品

アメリカのヘンリー・ダーガー(1892―1973)は、24歳から60年もの長きにわたって、誰にも知られることなく、発表することもなく、一人で黙々『非現実の王国で』という、タイプ原稿1万5000ページと長巻物のように巨大な大量の挿し絵からなる、壮大な作品を作り上げていた。晩年、身体の自由がきかなくなり、部屋を明け渡したときにその作品は発見されたのだった。

出典: homepage2.nifty.com

1892年4月12日シカゴで生まれる。
4歳になる直前に生母と死別。
読書が好きで、小学校1年から3年に飛び級をした。
だが、8歳で父親が体調を崩したため
救貧院に入り、ヘンリーはカトリックの少年施設で過ごす。
友達とコミュニケーションが
うまくとれず、退学を体験する。
12歳の頃、感情障害の兆候が現れたという理由で、
知的障害児の施設に移される。
16歳で施設を脱走し、260kmを歩いてシカゴに戻る。
聖ジョゼフ病院の掃除人として働き始める。
19歳の時『非現実の王国で』の執筆を開始。
執筆はダーガーの死の半年前まで続けられた。
33歳の時、教会に養子を申請するが却下。
だがあきらめきれず、何度も申請し続ける。
73歳の時、掃除人の仕事を強制的にやめさせられる。
できた時間で自伝を執筆する。
1972年の暮れ、病気のために救貧院に。
アパートの大家でアーティストでもあった
ネイサン・ラーナー(英語版)に、持ち物の処分を問われた時、
ダーガーは「Throw away(捨ててくれ)」と答えたとされる。
ラーナーは、アパートの他の住人と
一緒に部屋の持ち物を処分している際に、
残された作品を発見して驚嘆する。
1973年4月13日、救貧院にて死去。

裸の少女には何故かオ○ンチンが描かれています。
その理由として、引きこもりで誰ともコミュニケーションを取らず、
生涯童貞だったため、女性の身体を知らなかったのではないかと
いわれています。

非現実の王国で

同じ少女の顔が連続しているのは、
気に入った少女の広告絵などを
カーボン紙でコピーし、何度も
使っていたからだといわれています。

アウトサイダー・アートの代表例とされる作品で、「世界一長い長編小説」
とされることもある。

ダーガーは19歳の時『非現実の王国で』を書き始めた。執筆は約60年間に渡り、
彼が亡くなる半年前に老人ホームに収容されるまで、誰に知られることもなく
続けられた。
ダーガーが暮らしたアパートの家主であり、芸術家でもあるネイサン・ラーナーが
ダーガーの持ち物を整理するために部屋を訪れたときに、
300枚の挿絵と1万5,000ページ以上のテキストからなるこの物語が発見された。

300枚を超える挿絵は全てダーガーの手によって描かれている。
巻物のようになっているものも多く長いものは3m60cmにおよぶ。
その多くはストーリーの一場面を描いた通常の挿絵であるが、
中には該当する箇所がみつからない挿画独自のシーンも描かれている。
美術教育を受けなかったダーガーは挿絵を付ける際にゴミ捨て場などから拾った
雑誌・広告などからの切り抜きを多用した。
主人公ら少女たちはしばしば裸で描かれ残虐な拷問や殺戮の対象となっている。

出典: ja.wikipedia.org

その部屋すら、鬼気迫る。異様とも言える「自分の世界」を構築したこの老いた
掃除人は、後世に稀有な人間としてアウトサイダーアート界のみならず、
ダントツにその存在を圧倒的な光で知らしめている。

映画「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」

孤高のアウトサイダー・アーティスト、ヘンリー・ダーガーの
ミステリアスな生涯と作品世界に迫る異色のドキュメンタリ-。

圧巻は、ダーガーの孤独な現実を伝えるドキュメンタリーと並行して挿入されるアニメーション。
残された「非現実の王国で」の絵の中の要素だけを丹念に拾い出し、2年の歳月をかけて制作され
動き出したヴィヴィアン・ガールズ。ある時は荒れ狂う空の下で陽気にはしゃぎ、
ある時は兵士と戦い、またある時は翼を持った幻想的な生き物に助けられる少女たちは、
ダコタ・ファニングによるナレーションによって命を吹き込まれ、観る者を興奮と
彩りに満ちたダーガーの妄想の世界へと誘う。

出典: d.hatena.ne.jp

映画「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」予告編

兵士たちに虐殺される少女たち。残酷なシーンですが、
色使いはどことなくポップで“非現実”的。

www.amazon.co.jp

とんとん
とんとん
@tonton

目次 - Contents