映画化直前! 小説「流れ星が消えないうちに」の魅力
11月21日、橋本紡の描く小説「流れ星が消えないうちに」が映画化される。
主演は波瑠。原作を知っている身としてはどうして今頃、という思いとやっとかという思いの2つが流れる。
原作が出たのが2008年だから、7年の歳月が流れている。そんな中でも変わることのない本作の魅力を、映画公開に先駆けてご紹介しようと思う。
あらすじ・ストーリー
高校時代、その3人は出会った。
加地君、巧君、奈緒子。3人が仲を深めるのにさほど時間はいらず、やがて加地君と奈緒子が付き合い出した。順調かに思えた青春の日々は、突然の事故によって引き裂かれる。加地君を忘れられない奈緒子に、巧君は優しく手を伸ばし、2人はいつしか恋人同士になる。しかし、それは傷痕を舐め合うような恋愛で、2人の間にはいつも加地君がいた。やがて死んだ加地君の最後の行動に疑惑が生じ、それによって巧君と奈緒子の関係性も変化し始める。
見どころ
大好きな人が突然死んでしまったら。
これはあらゆる作品の永遠のテーマであり、今作の大きなテーマでもあります。喪失感は色々なもので埋められます。時間、友達、そして恋人。死んだ恋人の次に近くにいた人に惹かれるのは当然のことなのだろう。しかし、近い存在だからこそ、また死んだ恋人との思い出もひとしおだ。
原作はゆっくりと、ゆっくりと進んでいく。人の心はそんな簡単に変わらない。時間が一秒ずつしか進まないように、人の心もほんの僅かずつしか負った傷は癒えない。
情けなくても前に進むしかない。好きな人が死んでも、それはきっと変わることがない。そんなことを教えてくれる作品だ。
映画化に向けて
映画化に際して原作を読んでおこうという人が、もしかしたらいるかもしれない。
しかし、私はそれは止めたほうが良いと思う。良くも悪くも、映像化というものは原作を壊してしまう。それを悪しざまに言う人が世の中には多いが、私はそうは思わない。なぜなら、映画には映画の魅力があり、小説には小説の魅力があるからだ。だが、こと情報量ということに関しては、映画は小説に遠く及ばない。だからこそ、小説の映画化は物足りないと言われがちなのだ。
この映画を見ようという方は、できるだけ先に原作を読まないでほしい。まずは映画を楽しんでほしい。その上で、原作を読めば、きっと小説も映画も、どちらも楽しめるに違いない。
まとめ
いかがだっただろうか。
映画化される「流れ星が消えないうちに」はきっと良い作品になるに違いない。予告から原作の雰囲気がきちんと感じられることからもそれは間違いない。
映画公開はすぐ目前、ファンの方は心して待っていよう。