エアブラシイラストレーションの過去と今

エアブラシでイラストを描くという発想はいつ頃から始まったのでしょうか?
古い記憶をたどってみるとやはり1972年頃からの「山口はるみ」さんや「(故)ペーター佐藤」さんを最初に思い出してしまいます。今も現役のイラストレーターでいらっしゃるので「思い出す」というのは失礼ですね。つまり日本のイラストの世界でエアブラシをメインで使用したイラストの先駆者・魁という意味です。

ユーミンのコバルトアワーのアルバムもペーター佐藤さんのデザイン

その後というかほとんど同時期に、エアブラシ画と言った方がいい程のエアブラシを多用したイラストが日本のグラフィック界に溢れかえっていた時代があったように思います。

空山基-セクシーロボット

その時代を更に超えて行こうと、あまりに爆発的にエアブラシだらけになってしまった状態から一歩抜け出して、サブ的にしかエアブラシを使わないイラストレーターや、エアブラシを使っているのに使っていることが分からない様な使い方をするイラストレーターの方々が現れました。その多くがいわゆる「スーパーリアルイラストレーション」を志しました。

空山基-「AIBO」のスーパーリアルイラストレーション

写真のように見えるイラスト、果ては写真よりも更にリアルなイラストレーションを描かれたセクシーロボットなどで有名な「空山基」さんや、写真どころか実物がそこにあるかの様な絵の「斎藤雅緒」さんなどまさに超絶的な技術を使った素晴らしいの一言に尽きるイラストレーターの方々の登場でした。

斎藤雅緒-黄色いバラのスーパーリアルイラストレーション

そしてその後Macを始めとするコンピューターで全ての仕事をしてしまうDTP(Desktop publishing)時代の到来と共に、時代に受けるイラストの風潮も変わって行ったように記憶しています。
あの超絶のスゴ技はその後どのように姿を変え、進化していったのでしょうか、有名な方はともかく無名でありながらスゴ技を誇ったイラストレーターの方々も多くおられたと思います。

斎藤雅緒-「食 food」のスーパーリアルイラストレーション

時代の趨勢は「待ったなし」で進んでいくのでしょうね。

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