鎌倉時代の医学書?「病草紙」

平安末期から鎌倉時代の初期(12世紀頃)に描かれた絵巻物「病草紙(やまいのそうし)」。当時の奇病や、その治療法などを説話風にして紹介した巻物でした。奇妙な病気に対する当時の人たちの好奇心や、怖いもの見たさの野次馬根性は、現代人とあまり変わらないように感じます。時代を経て現在ではバラバラになり、失われてしまった絵もある貴重な「病草紙」を紹介します。

侏儒(しゅじゅ、小人)

小人の僧を子供らが笑っている。脳下垂体からの成長ホルモン分泌の異常による低身長、もしくは腕脚短縮症の図。前者は体全体が発育不全を示し、幼児のような顔立ちであるが、後者は腕と脚以外は正常な形態である。

白子(しらこ)※所在不明作品

「幼くより髪も眉もみな白く、目に黒眼もなし、昔より今に至るまで、まま世に出くることあり」。メラニン色素の先天的な欠乏で起こる白化症、すなわちアルビノの中年女の図。虹彩は青や灰色になり、それが黒目なしと見えたものか。

とんとん
とんとん
@tonton

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