見ただけで呪われる?~ベクシンスキーの絵画~

10年ほど前からネット上でまことしやかに囁かれてきた噂―「3回見たら死ぬ絵」。インターネットの世界では有名なので、見たことがある人もたくさんいることでしょう。でもこの絵、実際はどんなアーティストが描いたのか、詳しいことを知っている人は案外少ないようです。異形の画家ズジスワフ・ベクシンスキーの作品を紹介します。

ベクシンスキーの略歴

ズジスワフ・ベクシンスキー(1929-2005、享年75歳)は、ポーランドで生まれました。
一説によると子供の頃にナチスによるポーランド侵攻を経験しているため、
そのことがきっかけで、死や地獄、廃墟や終末などをテーマにした作品を
描くようになったともいわれています。

作品では、死、絶望、破損、廃退、廃墟、終焉などが描かれ、それは不気味さや残酷さと同時に
荘厳な美しさを感じさせる。独特の世界観から多くの支持を得た画家である。
作品自体は退廃的で「終焉の画家」と呼ばれるほどだが、彼自身は人当たりが良く少し内向的で、
人との会話をよく楽しんだとして知られている。だが、政治不信、マスコミ嫌い等があり、
普段は隠居のように暮らし制作に没頭しており、他の芸術に触れることも嫌ったため、
ポーランド語以外は話さず、ポーランドから出ることも生涯なかった。

彼の作品にはすべてタイトルがついておらず、作品の理論付けや詮索を非常に嫌った。
作品を描く際は、常に大音量のクラシック音楽をかけており、どこにいくにもクラシック音楽を共にしていた。

1998年、妻が亡くなる。1999年のクリスマスイブ、ポピュラー音楽の評論家であり映画の翻訳家の息子が鬱病により自殺。
ベクシンスキーは息子の死との折り合いを付けられず、『もし私がくたばった時に備えて、Tomek(息子の愛称)へ』と綴った手紙を壁にピンで留めていた。

とんとん
とんとん
@tonton

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