有名な作家や、話題の小説。
気になる本は色々あるのですが、日常は何かと忙しいもの。全て読む訳にもいきませんよね。
そこで、まずは「有名どころ」から。
この作者が好き!となればしめたものです。
同じ作家の本を探して読むところから、読書の幅が広がっていくことでしょう。
エドガー・アラン・ポー 『モルグ街の殺人・黄金虫 』
■内容
史上初の推理小説「モルグ街の殺人」。パリで起きた残虐な母娘殺人事件を、人並みはずれた分析力で見事に解決したオーギュスト・デュパン。彼こそが後の数々の“名探偵”たちの祖である。
■Memo
「推理小説の祖」と呼ばれる短編『モルグ街』。
推理小説におけるポーは、漫画における手塚治虫のような存在です。
江戸川乱歩のペンネームの元になったことでも有名。
アガサ・クリスティ 『火曜クラブ』
■内容
甥のレイモンドを筆頭に、前警視総監や画家などさまざまな職業の人々がミス・マープルの家に集っていた。一人の提案で各自が真相を知っている昔の事件を語り、その解決を推理しあうという“火曜クラブ”ができたが…
■Memo
おばあちゃん探偵、ミス・マープルが主人公の傑作短篇集。
『そして誰もいなくなった』『オリエント急行』なども衝撃的ですが、クリスティを堪能したいならまずは『5匹の子豚』などが良いかも。
アガサ・クリスティを愛する者に質問です。 | OKWave
okwave.jp
クリスティは作品数が多いので、この質問を参考に。
エラリー・クイーン『エラリー・クイーンの冒険』
■内容
長編の名手クイーンは短編の名手でもある。(略)
好青年エラリーの活躍譚は、E・A・ポオやコナン・ドイルの伝統をくむ、本格短編の一大宝庫である。
■Memo
エラリー・クイーンというさわやか青年が活躍。書いている作家も主人公と同じ名前で、しかも2人組というのが面白いです。
長編なら『Yの悲劇』がお勧め。「読者に挑戦」というのはクイーンが元ネタです。
G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の童心』
■内容
奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句(略)作者チェスタトンのトリック創案率は古今随一だ。
まんまるい顔、不格好で小柄なからだ、大きな黒い帽子とこうもり傘の神父探偵の推理は常に読者の意表をつく。
■Memo
これも短編集。さらっと読めて面白いといえば、『ブラウン神父』。神父の人柄も親しみやすくていいです。
気に入ったら『メグレ警視』シリーズもお勧め。
レイモンド・チャンドラー 『さらば愛しき女よ』
■内容
刑務所から出てきたばかりの大男マロイは、別れた恋人ヴェルマを探しに酒場を訪ねるが、そこで再び殺人を犯してしまう。現場に居合わせたフィリップ・マーロウは、姿を消したマロイと、ヴェルマを探し始める。
■Memo
探偵マーロウもの。マーロウは「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きている資格がない」の名言で有名。
とにかく渋くて格好いい。ハードボイルドの代表格です。
横溝正史 『本陣殺人事件』
■内容
江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていた……。
■Memo
金田一耕助ものの初期作品。
怪奇的な雰囲気、大掛かりで緻密なトリック、繊細な心理描写、などが賞賛されるところです。
金田一なら『獄門島』『犬神家の一族』なども是非。
島田荘司 『占星術殺人事件』
■内容
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。
■Memo
1981年、彗星のように現れて「新本格」というジャンルを確立した、島田荘司のデビュー作。
「御手洗潔」シリーズの1作目。根強いファンも多いようです。
綾辻行人 『十角館の殺人』
■内容
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。
■Memo
島田荘司の流れを汲む「新本格」の作家の一人、綾辻行人のデビュー作。
トリックの面白さだけでなく、ラストまで意外な展開があり、楽しめます。
宮部みゆき 『火車』
■内容
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。
■Memo
社会派推理小説の傑作。分厚いですが一気読みしてしまいます。
宮部作品で短編集なら、『淋しい狩人』がお薦め。古書店の話ですが、宮部さんらしい人情話でかつ読みやすいです。『我らが隣人の犯罪』も定番。
東野圭吾 『容疑者Xの献身』
■内容
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
(文藝春秋サイトより)
■Memo
直木賞受賞作。人物描写に関して好き嫌いが分かれるようですが、とにかく高評価。
東野圭吾では他に、『手紙』『悪意』『白夜行』『秘密』『さまよう刃』などがお薦め上位に入っていますが、どれも結構重たい話のようです。
『流星の絆』は軽めで良い話。『時生』は感動作とのこと。
伊坂幸太郎 『死神の精度』
■内容
CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。(略)クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
■Memo
伊坂幸太郎では他に、『ゴールデンスランバー』『グラスホッパー』『オーデュボンの祈り』『アヒルと鴨のコインロッカー』などがお薦め上位のようです。
「格好良い」「気取っている」などと、割と好き嫌いが分かれる作家ですが、まずは一読を。
エミリー・ブロンテ 『嵐が丘』
■内容
寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる〈嵐が丘〉の屋敷。その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに焦がれながら、若主人の虐待を耐え忍んできた。そんな彼にもたらされたキャサリンの結婚話。絶望に打ちひしがれて屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富を得、復讐に燃えて戻ってきた……。
■Memo
文学史上名高い「ブロンテ3姉妹」の次女の作品。
前半は、野生的なハンサムと気が強く魅力的なヒロイン、優しいけれど押しが足りないイケメンの恋愛模様。後半はその子供世代の恋愛が描かれます。
世界文学の傑作です。
ジーン・ウェブスター 『あしながおじさん』
■内容
お茶目で愛すべき孤児ジルーシャに突然すてきな幸福が訪れた。月に一回、学生生活を書き送る約束で、彼女を大学に入れてくれるという親切な紳士が現われたのだ。(略)
…このあしながおじさんの正体は?
■Memo
「児童文学」「少女小説」とも分類されます。これ系の小説はだいたい最後に幸せになるので、安心して読めます。
モンゴメリー(『赤毛のアン』の人)等もいいですね。村岡花子が訳してるものには外れがないです。
(※これは松本恵子訳)
ウラジーミル・ナボコフ 『ロリータ』
■内容
「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。…」(略)中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。
■Memo
「ロリコン」の語源となった問題作。主人公はへたれ男で幼女趣味、小説自体も長くて言い回しが複雑なことで有名ですが、読むとなぜかはまります。
マーガレット・ミッチェル 『風と共に去りぬ」
■内容
輝くような美貌と炎のように激しい気性のスカーレットは、アシュレにいちずに思いを寄せているが、彼は心優しいメラニーと結婚。スカーレットはそれへの腹いせに愛してもいないメラニーの兄と結婚。そして南北戦争では南軍が敗北し、スカーレットはわずか十六歳で未亡人に…。(略) 南北戦争を背景に展開する一大ロマン。
■Memo
火のような気性と美貌のヒロイン、スカーレット・オハラの半生を描く物語。長いですが一気に読めます。
堀辰雄 『風立ちぬ』
■内容
風のように去ってゆく時の流れの裡に、人間の実体を捉えた『風立ちぬ』は、生きることよりは死ぬことの意味を問い、同時に死を越えて生きることの意味をも問うている。バッハの遁走曲に思いついたという『美しい村』は、軽井沢でひとり暮しをしながら物語を構想中の若い小説家の見聞と、彼が出会った少女の面影を、音楽的に構成した傑作。
■Memo
最近、宮崎駿によって映画化されて再度、脚光を浴びました。しっとりした恋愛が読みたい方にぜひ。
『野菊の墓』なども純朴な恋でおすすめ。
川上弘美 『センセイの鞄』
■内容
およそ恋愛とは結びつかないはずの2人―― 38歳のツキコさんと70代のセンセイは、近所の駅前の一杯飲み屋で居合わせて以来の仲だ。(略)
「『女のくせに手酌ですかキミは』センセイが叱る。『古いですねセンセイは』と口答えすると、『古くて結構毛だらけ』とつぶやきながらセンセイも自分の茶碗いっぱいに酒を注いだ」
憎まれ口をたたき合いながら、2人は共に過ごすようになる。
■内容
世代の違う2人のじわじわした恋愛。ラストの一文にぐっときます。
江國 香織、辻 仁成 『冷静と情熱のあいだ』
■内容
2000年5月25日ミラノのドゥオモで再会を約したかつての恋人たち。江國香織、辻仁成が同じ物語をそれぞれ女の視点、男の視点で描く甘く切ない恋愛小説。
■Memo
お洒落で美しい恋愛小説。舞台はイタリアと日本。
癒されたいときにどうぞ。
Rosso(江國香織)から読んだ方が良いと思います。