ロマンチストの凄惨な末路、『ボヴァリー夫人』
理想を描いて暴走し、最終的に失敗のまま人生に幕を閉じたボヴァリ―夫人。〈ボヴァリズム〉の語源ともなり、男女問わずシンパシーを感じさせる、一人の悲劇的な女性の人生を描きます。
あらすじ・ストーリー
そんなさなかエンマは田舎貴族のロドルフに出会い、熱を上げる。駆け落ちまで決意するエンマだが、対してロドルフは彼女に別れの手紙を送り付け、この恋は終わりを告げる。
返済不能になり家まで差し押さえられた彼女は、ヒ素を飲んで自殺。事実を知った夫のボヴァリ―もショックを受けて絶命する。
実話から得たインスピレーション
彼女はエンマ同様、不倫の恋に悩み借金を重ねた末に服毒自殺をしてしまう。
実写映画
写真は91年のシャブロル監督版です。冷静さを装いつつもこわばった表情のアンナが印象的。
まとめ
彼の言う通り、超人的な客観性を持つ人間でもない限りエンマのような先走った感情は誰しも起こりうるもの。〈現実で充分に経験しうる過ちを描いた〉と言っても差し支えのない物語です。