現代アート辞典:概念を折り曲げたい意志満載の60年代の「時間派」
60年代日本人作家集団が起こした「時間派」についてまとめています。それは単なる彼らの流行だとしても、神秘性は今でも誇示したままです。
時間派とは
中原佑介をアドバイザーとして研究会を行なっていた中沢潮、田中不二、土居樹男、長野祥三らによって、1962年結成されたグループ
上は中沢潮氏の作品です。
ちなみに他の人の作品を検索したかったのですが上手くヒットしませんでした。
その中で中沢潮は、観客が白布の上を歩くと、下にあるビニール袋が破れ、染料の色が広がる作品を展示したが、美術館側から撤去を命じられる
出典: www.ntticc.or.jp
なぜ撤去を命じられたのか謎な気がしますが…。
また、作者という概念にも疑問を呈し、無記名による集団制作が行なわれた. 翌年3月の美目画廊における第2回展では、本展出品作以外に、床に置かれたチューブを踏むと光が微妙に動くスクリーンや、巨大な万華鏡などが発表された.同年10月には朝日講堂で大野一雄、笠井叡と「儀儀」という催しを行ない、観客に光をあてたり、轟音を聞かせ、悪臭を嗅がせるなどして、舞台における「見る側」と「見られる側」の関係を転換させる.
出典: www.ntticc.or.jp
時間派はアウトロー気質も高いようです。
「時間派宣言」では、「絶対的時間を固有時間におきかえ、未知の次元を芸術の中に与える
出典: www.artgene.net
上のような作品発表は未知の次元のためだったんですね。
演劇などの他ジャンルとのコラボレーションや、光を使用したキネティック・アート的作品も制作したが、66年にその活動を終えている。
出典: artscape.jp
しかし僅か4年間だけと言うまるで燃え尽きた音楽バンドのような短い活動期間です。
アート的に流行とは
流行とは、ある限定された時間的・空間的広がりのなかで新しく観察されるようになった特定の思考、表現形式、製品などがその社会に浸透し普及していく現象。
出典: artscape.jp
時間派としての活動もある種流行だったのでしょうか?
ある社会に属する任意の集団が、ある傾向を何らかの契機によって採択し、長きにしろ短きにしろ、しばしその傾向に熱狂的に付き従うが、また新たな傾向が出現するや否やそれを突如放棄すること。
時間派メンバーの解散後の動きが気になるところです。
しかし、彼らの名前を検索してもはっきりとした者は出ててません。時間派では無記名である作品をあえてやっていたので解散後に目立った活動をしたら時間派としての意味が無くなると捉えていたのかもしれません。
学生運動がそのような盛り上がりをもっともみせたのは、1960年の安保闘争、1968年 - 1970年の全共闘運動大学紛争の時期であったが、それ以降は下火となっている。原因としては、社会が豊かになったことでの政治離れ、内ゲバなど過激な運動への忌避、などがあげられる。
出典: ja.wikipedia.org
1960年代と言えばこう言った年でした。それと時間派は密接に関係しているのでしょうか?
数年間の内に青春を燃え尽くすような行動は羨ましいかもしれませんがその後ものけの殻のようになったら意味はありません。(時間派メンバーの事は言ってません。)
それでもあなたは僅かだとしても、「時間派」がアート用語として今でも語り継がれるように爪あとを残したのはどう映っているでしょうか?