妖しく闇深い日本の耽美、近藤聡乃の世界

細かなカテゴライズに縛られることなく、マンガ・絵画・映像など幅広い表現で多くの人を魅了するアーティスト、近藤聡乃さんの妖しくも美しい世界の一部をご紹介いたします。

近藤聡乃さんとは?

1980年千葉県生まれ。2003年多摩美術大グラフィックデザイン学科卒業。アニメーション、マンガ、ドローイング、油彩など多岐に渡る作品を国内外で発表している。文化庁新進芸術家海外留学制度、ポーラ美術振興財団の助成を受け、2008年よりニューヨーク在住。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林工藝舎)を出版。2010年、アニメーション作品「てんとう虫のおとむらい」ダイジェスト版が、 「YouTube Play. A Biennial of Creative Video」(グッゲンハイムミュージアム、ニューヨーク)においてTop25に選ばれる。2011年、個展「KiyaKiya」(ミヅマアートギャラリー)において、アニメーション「KiyaKiya」を発表。2012年、エッセイ集「不思議というには地味な話」(ナナロク社)を出版。Web文芸誌「MATOGROSSO」でマンガ「ニューヨークで考え中」を隔週連載中。2013年、「近藤聡乃作品集」(ナナロク社)を出版。

出典: akinokondoh.com

近藤聡乃:「ゴー・ビトゥイーンズ展」アーティストインタビュー

アニメーション作品『てんとう虫のおとむらい」ダイジェスト版

こちらが、高い評価を受けた映像作品「てんとう虫のおとむらい」。
喪を象徴するような白黒のコントラストに、妖しさを際立たせる赤い色が映えます。

人気バンド「たま」の『電車かもしれない』

アニメ『ちびまる子ちゃん』のテーマソングにもなった「さよなら人類」などのヒット曲でおなじみ「たま」による隠れた名曲「電車かもしれない」に、近藤さんの映像が重なることで、一層可愛らしくも奇妙な雰囲気に。

作品集「はこにわ虫」

ストーリーの説明をしようにも、なかなか一筋縄ではいかない作品集。

一部かいつまんでみるなら

・スリッパ屋の娘とチョウの話
・欠席していると自分の机にキナコが降り積もる学校の話
・下着の中からもぞもぞとキノコのようななにかが生えてくる話

などなど……それらをどう受け取るか、読者も試されているのかもしれません。

「不思議というには地味な話」

こちらは、近藤さん初のエッセイ集。

「ニューヨークで考え中」

ゆる~く、やっぱりじみな? ニューヨークでの生活を綴っています。
近藤さん自身は「主人公は私のつもりではなかった」との発言もしていますが、リアルな描写をコミックエッセイのように楽しむのも良いですね。

今日マチ子さんとの意外なつながり!?

きらきらと美しい高校生の青春模様から、戦争の凄惨な現実まで幅広いジャンルを描き出すマンガ家の今日マチ子さん。

実は近藤さんとは、高校時代に通っていた予備校の同級生なのだとか!

ユリイカ2013年8月号「今日マチ子特集」では、近藤さんが予備校当時を振り返るマンガを寄稿。

また、webサイト「.fatale」には、対談記事が掲載されています。

◆おしゃれなの、難しいの、おもしろいの?

その多様な活動範囲と、教養・引き出しの多さが垣間見える作品から、受け取り手によって様々な解釈が生まれそうな近藤聡乃さんの世界観。

綺麗でかわいいキャラクターを淡々と描いているのか、
頭の中にある難解な世界の一部分を切り貼りしているのか、
はたまたシリアスな仮面をかぶったギャグの世界なのか。

あなたは、どう感じたでしょうか?

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents