シロナガス島への帰還

シロナガス島への帰還のレビュー・評価・感想

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シロナガス島への帰還
9

心躍る不気味さと映画のようなミステリー『シロナガス島への帰還』

「シロナガス島」という名前の島を聞いたことがあるだろうか。ベーリング海という太平洋北部の海域に、その断崖の孤島は存在した。主人公である探偵「池田戦(いけだせん)」は、依頼人に招待され、相棒の超能力少女「出雲崎ねね子(いずもざきねねこ)」とともにフェリーに乗り込む。そこで起こる奇妙な殺人事件。シロナガス島に隠された真実、そして父の願いを知るために、彼女たちは謎を解き脱出を目指すというのがこのゲームのあらすじだ。

このゲームはまるで1本のB級ミステリー映画を見ているような雰囲気を醸し出している。
このゲームは2020年3月にSteamにADV(アドベンチャーゲーム)としてリリースされた。するとこのゲームは2020年末に1万本、そしてその後半年待たずに2万本の売り上げを達成している。完全個人制作のADVとしては異例の売り上げである。その後Switch版移植のためのクラウドファンディングが目標金額を大幅に超え、2647万円を達成するなど、大成功を収めた。

このゲームがここまで人を魅了する理由はミステリーとして、謎解きとして、そして知れば知るほど魅力的なキャラクター性が最高峰だということである。シナリオやサウンドも完成度が高く、最後に回収される伏線に驚くことと思う。プレイの操作難易度も従来のADVと変わらないので、操作が難しすぎず誰でも簡単に遊べるという点も良いポイントだ。

Steam版では通常ワンコイン500円で販売されており、頻繁にセールなども行われているので、お財布的にも優しいのが魅力。
平均プレイ時間は13~14時間ほど。映画を見ているような感覚でゆったりとプレイしていただければ嬉しい。