FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE

FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLEのレビュー・評価・感想

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FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE
8

かっこいい戦場なんか存在しない残酷なリアルを描いた傑作!フロントミッションシリーズの漫画「FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE」

まず最初に、この作品はタイトルの通り、スクウェアエニックスの人気ゲーム「フロントミッションシリーズ」のコミックスピンオフ作品です。とはいえ、ゲームのシナリオをなぞったいわゆるコミカライズではないので、この作品から入っても全然楽しめます。

とにかく、この作品は戦争の汚さ、泥臭さがページのすみずみに詰め込まれた密度の濃い作品です。もちろん、フロントミッションの世界に登場するヴァンツァーをはじめとするメカ兵器が戦うわけですが、それらを操るのはあくまで人間で、戦争によって踏みにじられるのももちろん人間なんだということを思い知らされるんです。

太田垣康男という作家がなまじ画力もある人なんで、登場する人物も当然魅力的に描いちゃう。彼ら彼女らが、淡々と無慈悲に戦場で散ってゆく姿を目にするだけで、なまじ「戦争はおろかなことだ」と言葉にするよりも、ある意味説得力を持つってものです。

ちょっと惜しいのは、終盤の畳み方ですが、これも近未来の戦争ものという見方をすると、「これはこれでよし」とも思えるので個人的にはOKです。

最近の生ぬるいの作品に少し飽きちゃった人、特に重めの作品に触れたいと感じている人に一度読んでもらいたい一冊。メカが好きな人や、戦争ものを好きな人にはおススメの作品です!