シャインポスト

シャインポストのレビュー・評価・感想

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シャインポスト
10

一直線に大真面目なアイドルアニメの傑作

2022年の7月に始まった本作は、昨今では珍しいくらいに奇をてらわない、まっすぐで真面目なアイドルアニメである。
ストーリーとしては解散を宣告された売れないアイドルグループ「TiNgS(ティングス)」が、新たに就任したマネージャーと共に、中野サンプラザを満席にすることを目指して奮闘するというもの。

「奇をてらわない」とは言ったが、この作品にも一つだけファンタジー要素がある。それは「マネージャーには嘘をついている人間が光って見える体質がある」というもの。
このマネージャーが担当することになった「TINGS」というグループは、女子高校生と女子中学生のみで構成され、それぞれのメンバーが悩みや葛藤を抱えている。
「それらを克服することこそが彼女らを真に輝かせるために必要なこと」であると考えたマネージャー「日生直輝」は、自らの特殊な体質でもって彼女ら一人一人と真正面から向き合い、寄り添いながら彼女らの成長をサポートしていく。

彼の特殊な体質は万能ではなく、あくまで「相手のそのときの発言が嘘であることがわかる(嘘の内容はわからない)」というものにすぎない。言ってしまえば「すごく勘の良い一般人」なので、この能力によって作品のリアリティが大きく削がれるということはなく、むしろ良いスパイスとなっている。

この作品の魅力と言えば、まずは圧倒的な作画(アニメーション)のクオリティである。一話冒頭のライブシーンはアニメ史に残るといっても過言ではない。
ちなみに作画のクオリティが高いのはライブシーンだけではない。むしろライブシーン「も」作画が良いというべきか。あまりにもヌルヌル動くので、内容そのものに興味はなくとも映像目当てでこの作品に触れてみるだけでも十分に価値がある。

さらに、この作品はストーリーの面においても抜かりがない。日生の「嘘がわかる」という能力と、悩みを素直に打ち明けられない少女たちという組み合わせによって自然と謎が提示されるので、考察がはかどる作品となっている。
また、彼女らの目指す先が明確なので、話の途中でダレることがなく、時に苦しみ挫折しながらも進み続ける彼女たちを応援したくなる。そのような気持ちにしてくれる彼女ら自身の人間性もまたこの作品の大きな魅力の一つである。

最後に、作中で流れる楽曲が素晴らしい。こればかりは聞いてもらうしかないので、youtubeで「シャインポスト 曲」で検索してみてほしい。公式チャンネルにいくつも曲が投稿されているので確認してほしい。

シャインポスト
10

アイドルのアニメ

シャインポストは、アイドルグループの話です。
「TINGS(ティングス)」で活動しているアイドルの女の子たちが中心。最初はライブに来てくれるお客さんが少なく、ある日社長から「TINGSの解散を考えている」と告げられますが、「中野サンプラザを満席にしたら解散はしない」と条件をつきつけられます。そこからメンバーの闘いが始まります。
TINGSのメンバーはマネージャーと力を合わせ、中野サンプラザを満席にするために会議を重ね、レッスンに打ち込んでライブを開き、TINGSを売り込んでいきます。バラエティー番組やラジオにも出演し、知名度を上げていきました。
キャラクターも歌も可愛いです。メンバーが増えたエピソードは胸が熱くなりました。
春という才能あるキャラクターが、連というキャラクターと切磋琢磨しながらも別のグループで活動しなければならないエピソードは物悲しいですが、いいエピソードです。
おすすめアニメです。