「カワイイ」文化のルーツはここに。内藤ルネの世界。
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今やクールジャパンの重要な一角を担う存在「カワイイ」。外国の人たちが当たり前のように「kawaii」と口に出す様子をメディアで目にするたびに、なんとも不思議な気持ちになりますが、そのカワイイ文化の元祖とも言える内藤ルネ氏の作品展が開催されます。
50年以上も前からすでにこのような作品群が存在していたことに多少の驚きを覚えつつ、内藤ルネの世界を探訪してみたいと思います。
内藤ルネ 略歴
内藤 ルネ(ないとう ルネ、1932年11月20日- 2007年10月24日)は愛知県岡崎市出身のイラストレーター、デザイナーである。本名は内藤功(ないとう いさお)。
中原淳一に師事し、1950年代半ばから『ジュニアそれいゆ』など少女雑誌にイラストや人形作品を発表。童顔でファッショナブルな少女画で人気を博し口絵や付録、人形や雑貨のデザインなどで幅広く活躍したほか1971年には「ルネパンダ」を発表し一世を風靡した。
また、長年に渡り男性同性愛雑誌の『薔薇族』で表紙を描いたことでも知られる。
2012年、マスターライセンサーとして株式会社ルネ設立。カワイイの聖地「原宿」に新たなライセンサーとしてその業務を開始。定期的に原画展等を行っている。
出典: ja.wikipedia.org
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きゃりーぱみゅぱみゅの世界観とオーバーラップ
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こちら、ご存知きゃりーぱみゅぱみゅ。
彼女が日本の「カワイイ」文化の代表的存在であることは、誰もが認めるところだと思います。
この「カワイイ」はすでにグローバルな地位も獲得していて、外国の人たちが「kawaii!」と何の迷いもなく、様々なものに対して表現するようにまでなりました。
そう、「カワイイ」は翻訳の必要がない、それそのものが意味を持つ言葉になったのです。
そしてこのきゃりーの画像は、内藤ルネ氏が描いた少女たちとオーバーラップして見えます。
「カワイイ」文化の元祖・内藤ルネ氏の作品展開催
カワイイ文化の祖"とも呼ばれるクリエイター・内藤ルネの展覧会が、2015年10月21日(水)から10月26日(月)までの期間、伊勢丹新宿店本館にて開催される。
イラストレーター、人形作家、デザイナー、エッセイスト…。内藤ルネは、様々な肩書きを持つマルチクリエーター。1950~1960年代にかけて、人気ファッション誌「ジュニアそれいゆ」の表紙と挿絵を担当して大ブレイクした彼は、動物から野菜やフルーツ、花をモチーフにしたデザイン・キャラクター、ファッションインテリア、ファンシーグッズなど、それまで見過ごされていた“カワイイの芽”を次々と見出し、1万点以上の作品を生み出してきた。
Roots of Kawaii - 「内藤ルネ」〜過去・現在そして未来へ〜|伊勢丹新宿店
www.isetanguide.com
10月21日(水)〜 10月27日(火)催物場は26日(月)まで〈午後6時終了〉|ルネのこと全部わかる「内藤ルネ」展。ルネキャラのアイテムもいっぱい。
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こちらはいわゆる「ルネガール」と呼ばれる、茶髪・ブロンド、大きな瞳の少女たちの絵。
そういえば、筆者も子供の頃はこんな感じの女の子の絵を好んで描いていたことがありました。
知らないうちに、影響を受けていたのかもしれません。
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「ジュニアそれいゆ」に登場した新しい少女たち
内藤ルネが当時の少女たちに絶大な人気の雑誌『ジュニアそれいゆ』に描き始めた女の子のイラストは、それまでの少女画とは全く異なるものでした。“憂いを秘めた”“伏し目がちな”おとなしい女の子だったそれまでの少女画に対し、ルネが描いた少女は、“デフォルメした大きな目”に“小顔にヒョロ長いプロポーション”の「元気」で「明るい」女の子。少女画において、センチメンタルな抒情画の名残を捨て去った最初のアーティストと言われています。
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こちらは、モードガールと呼ばれるよりファッショナブルな少女たちの絵。
現在のファッション誌上に出てくる少女たちのイメージがここにあります。
実はファッションやインテリアにおいてもブームを牽引
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ルネは全く新しいイラストレーターとして活躍しただけでなく、さまざまな分野でも「はじめて」を切り開いています。ファッションにおいては、キャノチェ(カンカン帽)や短い丈の白手袋、大きなボタン使いなどを流行させ、ココ・シャネルやイヴ・サンローランらをその存在が日本で注目される以前にすでに紹介しました。また、19 世紀にヨーロッパの貴婦人たちの間で流行ったアンティークドールのビスクドールの日本での一大ブームの火付け役と言われています。インテリアに関しても、棄てられていた医療用の戸棚を白く塗って飾り棚にして“白い家具・白い部屋”ブームを創りあげました。
「ファンシーグッズ」を初めて作ったのもルネ氏
ルネが創り出した作品は、当時としては珍しくさまざまな商品として広がっていきました。1961年、アメリカ映画『哀愁』の「ビリケン人形」を「大人びたやや怖い顔をグッと可愛らしい顔にデザインし直して、陶器の立ちポーズの小さなマスコット人形にして、お世話になっている方や友人に届けられたら…」(本人談)という思いで制作された陶器のビリケンが陶器メーカーによって商品化されました。他にもいちご柄を中心にしたフルーツや動物、お花などのデザインは、ステンシール、文房具、食器、ファッションなどあらゆる商品となり、当時の少女たちの生活を可愛く彩っていったのです。弥生美術館学芸員中村圭子さんが「戦後、リボンを描き始めたのは昭和30年代頃の内藤ルネでしょうか? 現代ではリボン模様のグッズを至る所で目にします。内藤ルネというアーティストが少女グッズ界に与えた影響は大きいと言えるでしょう」と言うように、まさに現代のファンシーグッズというビジネスモデルが大きく発展するきっかけは、ルネだったのです。
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「ルネパンダ」について
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1970年代初頭、ロンドンの動物園で初めてパンダをみたルネ氏が産み出したパンダのキャラクター。
今ではパンダをモチーフにした商品はたくさんありますが、日本で初めてパンダをキャラにしたアーティストはルネ氏でした。