じょしらく(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『じょしらく』とは、『別冊少年マガジン(講談社)』で連載されたギャグ漫画作品。原作・原案は久米田康治、作画はヤスが担当した。女性落語家の楽屋での会話を中心とした日常コメディであり、アニメ化もしている。作者は原作・原案は久米田康治で作画はヤスである。落語家の防波亭 手寅が主人公であるが、落語をしているシーンはあまり無く楽屋での会話がほとんどとなっている。日常のどうでもいいことから、ネタを広げながら話を展開させていく所が『じょしらく』の見どころである。

『じょしらく』の概要

『じょしらく』とは、『別冊少年マガジン(講談社)』で連載されたギャグ漫画作品。原作・原案は久米田康治、作画はヤスが担当した。女性落語家の楽屋での会話を中心とした日常コメディであり、アニメ化もしている。作中でのテーマは「この漫画は女の子の可愛さをお楽しみ頂くため邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみいただく漫画です」となっている。2009年10月号から2013年10月号まで連載され、話数は全50話で単行本は6巻刊行された。 また、アニメは2012年7月5日から9月27日の間で、全13話放送された。落語家が主人公であるが、落語をしているシーンはあまり無く楽屋での会話がほとんどである。蕪羅亭 魔梨威(ぶらてい まりい)、波浪浮亭 木胡桃(はろうきてい きぐるみ)、暗落亭 苦来(あんらくてい くくる)、防波亭 手寅(ぼうはてい てとら)、空琉美遊亭 丸京(くうるびゆうてい がんきょう)の5人の女性落語家たちが「おあとがよろしいようで」とあいさつをして高座から楽屋に戻った後に5人での楽屋での会話が始まる。他の漫画やアニメなどのパロディや時代風刺、ほのぼのとした内容などが多い。彼女たちは楽屋でも高座名で呼び合い、本名は不明。そんな彼女たちは楽屋での会話が中心だが、楽屋内でのイベントや外出を行う時もある。例えば楽屋内ではクリスマスパーティやプール遊びを行い、築地や東京タワーへと遊びに行くのだ。日常のどうでもいいことからネタを広げながら話を展開させていく所が『じょしらく』の見どころである。

『じょしらく』のあらすじ・ストーリー

寄席終わりの楽屋にて

物語は、防波亭 手寅(ぼうはてい てとら)の落語シーンからスタートする。「お後がよろしいようで」と一言述べると、楽屋に帰っていった。そこから女子落語家である手寅、蕪羅亭 魔梨威(ぶらてい まりい)、暗落亭 苦来(あんらくてい くくる)、波浪浮亭 木胡桃(はろうきてい きぐるみ)、空琉美遊亭 丸京(くうるびゆうてい がんきょう)の5人が楽屋トークをはじめる。
この日、5人の女子落語家たちは普段着の話しになり、早くも着物を脱ぎパジャマに着替える。メガネキャラの丸京は下着姿を披露した。そんな中、かわいいキャラ担当の木胡桃が周りの期待に答えて、かわいいパジャマを着て見せてかわいいことを発言する伝統芸も披露する。「期待通りの答えをするのも疲れるわ」と本音を暴露する木胡桃の腹黒い部分が垣間見える。その後、丸京の下着姿と木胡桃のかわいいパジャマを見た魔梨威が、普段着が全裸という衝撃発言をした。そこでその場で全裸になったのだ。そしてそのまま全員が裸になることで、この日の楽屋での会話は終了した。

落語を披露する寄席は毎日開かれており、毎日5人は集まり楽屋トークで盛り上がっている。今回は楽屋にて手寅と丸京の2人が幼馴染であり、一緒に落語家を目指すという話が披露された。学生の頃から手寅は強運の持ち主であるという話になった。その話をしながら楽屋のテレビをつけると、偶然にもテレビが故障して爆発した。その場にいた魔梨威、苦来、木胡桃、丸京の4人は爆発の餌食になる。4人は真っ黒焦げの状態となったが、そんなことは無いだろうと色々手を尽くし、手寅も同じように怪我を負わせようとする。だが、手寅だけは怪我も傷すらも負わず、その他4人だけがどんどん傷だらけになっていく。その状態に懲りた4人はそれ以上は何もせずに、楽屋での会話を終えるのだった。

別日の楽屋にて、丸京の眼鏡の話が幕を開ける。丸京は、眼鏡をいじられると、どんどん暴力的になっていく傾向がある。それを知っているのに、その他4人はいじらずにはいられない。どんどんボコボコにされていくが、それでも「眼鏡を外して」とまくし立てる。いよいよ外すと丸京のしょぼしょぼの目が露わになった。その目を見たかった4人は大爆笑するが、結局その状態でも暴力的は丸京に殴られることとなった。
その後に、十五夜ということでお月見をすることに。だが外が曇っていてお月様が見えないので映写機で満月を映して楽屋でお月見をはじめた。折角のお月見なので、なにか月にちなんだ食べ物を食べようと考え、月見そばを食べ始める。食べながら、満月の兎を想像して映像を見ていると、木胡桃が「やっぱり兎に見えない!」と騒ぎ始める。この騒ぎから、5人は満月には何が見えるかで盛り上がる。世界各国の満月の解釈を紹介した後、苦来は満月が「お母さんにジャンプを買ってもらうヒキコモリ」に見えるという独特な解釈を披露し、その他4人も続いて独特な解釈を語り始める。そんな賑やかな楽屋に黒い影が現れた。それは「師匠のウサギ」と言われる、師匠のペットの兎だった。真っ黒い姿に人間サイズで2足歩行をしている恐ろしい兎である。その師匠のウサギが襖を開けて登場すると「私は何に見える?」と問い、次々と「兎に見えます!」と答える。荒ぶる師匠のウサギをどうにか鎮めようと宴を催すことにする。自分たち5人はバニーガールのコスプレに着物から着替えて、お酒を飲ませてはごきげんをとり、何とか機嫌よく師匠のウサギは帰っていった。
こうして楽屋でのくだらない話やイベントが繰り広げられていく。

5人の笑いは楽屋から始まる

季節は移り変わり年末年始となり、正月の挨拶から始まる。笑い初めとなる正月はじめの寄席を「お後がよろしいようで」と終了し、楽屋での会話が始まった。今回は女子落語家たち手寅、魔梨威、苦来、木胡桃、丸京の5人は、師匠とされる人物からお年玉をもらう。魔梨威が師匠より受け取ってきたお年玉を並べ、じゃんけんで勝った順番にもらうことになった。その5つを並べ、じゃんけんで勝った順番にもらうことに。最初は丸京が5つ並んだお年玉から1つ選ぶ。これと決めたものを取り開くと中身は千円だった。次は、木胡桃の番であり、3万円が入ったお年玉袋を引き当てた。手に入れた3万円を見て、腹黒い笑みを浮かべて喜ぶ木胡桃だった。3番目の苦来は二千円を手にした。4番目は強運の持ち主・手寅である。先ほど木胡桃が3万円を引いていたが、これ以上の金額がでてくるのか。いざお年玉を開封すると、株券が入っていた。最後は魔梨威の開封となる。魔梨威のお年玉の中身は何が入っているのか。開けてみると500ウォンというどこの国の硬貨か分からないお金が入っていた。こうして5人の1年が始まった。

正月も終わり、普段の寄席が始まったある日の落語終わりの会話では、魔梨威の寝言が現実になるという、ちょっとホラーな出来事が起こった。半分寝ている状態で発言したことがどんどん現実になっていく。本人は特に分かっていないが、寝言で猫がもふもふになると言えばでもふもふになったり、CM出演が現実となるなど、いいことばかり起こるようになる。だが実際は魔梨威の夢の中での出来事だった。夢の中の夢ということで、本当の楽屋にはもう誰もいなくなっていた。
楽屋で夢を見ながら眠っていた魔梨威さんだが、あくる日顔をパンパンに腫らして来た。本人に聞くと虫歯が痛くて腫れているという。このままでは痛くてどうにもならないということで、苦来がなぜか持っていた痛み止め薬を投与される。だが、この薬がヤバかったのか、魔梨威はハイテンションになっていく。この状態にしびれを切らした4人は、虫歯を糸で縛り引っ張って抜くことを提案する。引っ張って抜くことがうまくいき、この話は終了した。

ある日、5人の楽屋に宇座亭 ウザンヌ(うざってい ウザンヌ)が現れた。このウザンヌが楽屋を乗っ取り自分たちのテリトリーを荒らし始めたのだ。ウザンヌという名前の通りに、自分の名前を知らない5人にウザい名前あてクイズを出した後に、この名に違わぬ方法で自分の名前を明かすウザンヌ。このウザさに迷惑していた5人は、なぞの覆面落語家を大量に召喚しウザンヌを外に押し出すという強引な追い出しで、自分たちのテリトリーを守った。
こうして5人の楽屋でのくだらない会話は続いていくのだった。

女子落語家5人でお出掛け 前編

5人の落語家たちは楽屋でのくだらない会話だけでなく、5人で出掛けることも多い。
ある日の寄席の終わりに、楽屋を飛び出して東京タワーに行くことになった。東京タワーに上って展望台からの景色談義が始まる。景色を見ていたら方角の南北の話になり、その後「北」「南」の国際ネタに変化する。さらに今度は「右」「左」の右寄りや左寄りの際どい話まで、東京タワーで繰り広げた。そんな中、質問されても展望台のガラス床から下界を見下ろす苦来。賑やかな会話から外れ、自分の世界に入ってずっと下を眺め続ける表情。その中で他の4人は景色の中にある東京スカイツリーを見つけ馬鹿にしていた。そして次は浅草に向かい浅草寺にきた5人。楽屋だといつも着物だが、浅草では楽屋とは違う私服姿の5人を見ることができる。その中でもゴスロリ系のファッションに身を包んでいる丸京が一番目立っていた。浅草寺ではおみくじを引くことになったが、5人の中で一番強運の持ち主である手寅におみくじを引いてもらうと大吉を引いた。どんな不幸も回避することができる手寅に爆発をお見舞いしようと画策するが、結局はその他4人が犠牲になった。そんな5人が浅草の観光地に来ても、結局は楽屋でのいつものトークが始まる。まるで楽屋にいるような会話をしつつも浅草を満喫する5人だった。

楽屋で会話を楽しんだ5人は、お台場に向かうことになった。お台場に行くときの魔梨威の私服が特に特徴的で、「人として」と印刷された白いTシャツの袖を肩まで捲し上げ、下はハーフパンツという魔梨威ならではの服装を披露した。お台場に向かう途中でモノレールの「ゆりかもめ」に乗ることになった。ゆりかもめの中で手寅がでんぐり返しが得意という話の流れとなり、モノレールの通路で手寅はでんぐり返しを披露する羽目になる。でんぐり返しを披露しつつモノレールに乗っているとお台場に到着した。お台場ではフジテレビの球体の観光やビックサイトのような場所にも行くことになった。ビッグサイト的なところでは、多様なアニメのコスプレイヤー達が登場した。

別の寄席終わりでは、魔梨威が秋葉原と勘違いしてメイド服でやって来ていたが、巣鴨に遊びに行くことになった。ここで魔梨威は巣鴨のおばあちゃんたちに襲われて、いまだにお尻に残っている蒙古斑を披露する羽目になる。そして、次は上野動物園に行くことに。上野動物園では、いろいろな動物から、いつもの楽屋でのトークのような展開が繰り広げられた。例えば、ジャイアントパンダを見た木胡桃は、「正直パンダなんてどうでもいい」と、いつもの楽屋での会話のように腹黒い部分をのぞかせた。さらには動物園ということもあって、レッサーパンダの風太くんや白熊についても話を展開させ、過去話題になった動物たちをネタに会話を進展させて楽しんだ。 

女子落語家5人でお出掛け 後編

今回は築地の魚市場に来た落語家の5人。魔梨威は築地ということで気合をいれて築地市場で働いているような格好をしている。その格好で築地の観光客について物申し始める。特に市場を観光する外国人たちのマナーや態度に対して魔梨威はまるで築地で働いている人の様に意見を言い出した。そこから始まって最後は5人ならではの意見を展開させた。そのやり取りがブラックユーモアたっぷりな会話だった。そんな会話をしつつ、向かったのは牛丼店の「吉野家」である。築地の吉野家が牛丼チェーン店吉野家の第1号店。その吉野家で牛丼を食べながら、吉野家の歴史や企業について話をし始める。吉野家の話から最後はなぜかアニメの『サザエさん』の話となり、築地での観光が終わった。

魔梨威は仕事の終わりに歌舞伎町でお酒を呑むことが多い。5人は魔梨威のホームタウンである新宿歌舞伎町で遊ぶことにした。そんな街に5人全員で立ち寄り、探索することになった。5人が街をぶらぶらしていると、歌舞伎町ということで歌舞伎役者の海老蔵(えびぞー)が宴会終わりに騒いでいる所に出くわす。街中で宴会をしている海老蔵に驚き、場所を移動すると今度は新宿コマ劇場の前に到着した。そこは役者の森光子が毎回でんぐり返しを見せるという演劇が行われている場所である。その場所に来た5人は、手寅が得意なでんぐり返しをその場でするという流れになり、手寅は見事な一回転をして見せた。手寅の見事な得意技で歌舞伎町探索は終了となり、次の日の寄席となった。
寄席終了後、楽屋での会話もそこそこに5人は六本木に遊びに行くことにした。六本木の有名な場所の何か所かに向かい、会話が弾んでいく中で六本木といえばバブル期の頃の話となった。バブル期を知らない5人は想像でバブルの頃の話を展開させていく。想像の中でバブル期に大流行したディスコのお立ち台に上がり、ボディコンの格好で踊り狂うという状態になる。5人は踊り疲れて、想像から現実に戻ってくると、寂し気な現代が映し出された。少し寂しい雰囲気の中で六本木でのお遊びは解散となった。

以前、秋葉原に行くと思ってメイド服を着て来た魔梨威の願望を叶えるために秋葉原の観光に向かう。秋葉原では、有名な電気店の前やドンキホーテの店の前などに立ち寄った。ミュージカルの様に秋葉原の有名どころを、お馴染みのお店のテーマソングを歌いながら5人は進んでいく。秋葉原には大きなテレビ画面が街並みの中に多くある。その中の1つに目をやると、以前楽屋に押し寄せ自分たちの楽屋を奪おうとしたウザンヌの姿が映し出された。びっくりした5人がその画面をよく見るとなんと、ウザンヌがアイドル活動を始めていたことを知る。その画面の下がステージとなっており、そこにウザンヌが登場した。またしても自分たちの前に現れたウザンヌにウザったい気分になったが、実害があった訳ではないので、そっとしておき秋葉原を立ち去った。
5人の落語家たちは、今日も楽屋での会話や外の世界に飛び出して落語のような掛け合いを繰り広げていくのだった。

『じょしらく』の登場人物・キャラクター

女子落語協会一門

蕪羅亭 魔梨威(ぶらてい まりい)

CV:佐倉綾音、阿澄佳奈(キャラ落語CD版)

女子落語家で羽織の着用を許されている真打ちである。周囲からは「マリーさん」と呼ばれている。髪型は赤髪のロングヘアーで後ろ髪の先をリボンで結び、アホ毛が前髪に倒れているもの。高座名の由来、髪の色、瞳の色、羽織の色と、イメージカラーは赤で一貫している。羽織を着ているが作中では頻繁に脱がされてしまう。男勝りで威勢がよく、姉御肌な性格。この性格もあって、女性にモテる。喋り方は江戸っ子口調で、「つまんねー事聞くなよ!」が口癖。周りの意見に流されやすい一面もある。落語家になる前は、海女のバイトとして毎日のように海に潜っていた。

防波亭 手寅(ぼうはてい てとら)

CV:山本希望、葉山いくみ(キャラ落語CD版)

女子落語家であり周囲からは「テトちゃん」というあだ名で呼ばれている。髪型は茶髪のポニーテールで、前髪には二本の髪留めをしている。髪と瞳の色は茶色であり、イメージカラーは茶色。作中では最も常識的でありながらもノリがよい性格で、周囲に気配りしつつボケもツッコミも両方こなす。なぜか1人だけ難を逃れる危機回避能力の持ち主。大食いしても太らない体質で、そのことについて魔梨威達から嫉妬されている。落語家になる前は、水商売をしていた。

波浪浮亭 木胡桃(はろうきてい きぐるみ)

CV:小岩井ことり、小野恵令奈(キャラ落語CD版)

女子落語家で髪型はセミロングであり、頭頂部にはアホ毛がある。髪の色と瞳の色が黄色でイメージカラーは黄色である。桃色の着物と相まって最も少女的な雰囲気を持っている。小柄な容姿と天真爛漫な物腰で、周囲からは「キグちゃん」の愛称で親しまれている。寝るときも、かわいらしいキャラクター柄のパジャマを着用している。だが心の底では腹黒いことを考える。女子落語家仲間の5人の中では一番の年下で、唯一の未成年である。

空琉美遊亭 丸京(くうるびゆうてい がんきょう)

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