The Crooked Man(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『The Crooked Man』とは2013年1月4日公開、Uri Games・うり制作のホラーADV。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。引っ越し先で起こる奇妙な現象、原因を探っていく中でプレイヤーは襲い掛かってくる化け物「曲がった男」が本当に実在しているのかと疑問を抱き、次第に主人公デヴィッドに疑いの目を向けていく。ホラーゲームだが恐怖シーンより、複雑に作り込まれたストーリーが好評となっている。

『The Crooked Man』の概要

『The Crooked Man』とは2013年1月4日公開、Uri Games・うり制作のホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第一作目。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。
よくない出来事が続き、親友の勧めで気分転換のために引っ越した新居。そこで起こる奇妙な現象、原因を探るためにデヴィッドは前の住人の行方を追いかけることになる。
前の住人を追いかけたどり着いた先で、デヴィッドは本作のタイトルにもなっている化け物「曲がった男(The Crooked Man)」に何度も襲われ、殺されかける。「曲がった男」を撃退しつつ、ステージを探索していく中で明かされていく秘密に、プレイヤーは「曲がった男」の存在に疑問を抱き、次第に主人公デヴィッドに疑いの目を向け、このゲームは狂ったデヴィッドが見ている幻覚なのではないかと不安になっていく。

スチルやドットによって表現された世界や、複雑に作り込まれたシナリオが好評。現実にも起こりうる挫折、恋人との破局、家族との不和が描かれ、プレイヤーはデヴィッドに共感することになる。しかし、終盤その共感こそが「曲がった男」を引き付け、今回の恐怖の原因となったことが明かされ、プレイヤーを恐れさせる。
ホラー要素であるステージギミックや演出も作り込まれており、ドッキリ要素とストーリーによる精神的不快感が味わえる。
チャンネル登録者354万人を超えるYouTuber・キヨによってゲーム実況動画のシリーズが投稿されており、part1は100万回以上再生されている。
またゲームの配信サイトSteamではレビュー全体で「非常に好評 」と評価されており、熱心なファンのために『The Crooked Man』を含む『The Strange Man』シリーズのバンドルが作成され、度々セールの対象となっている。

マルチエンディングを採用しているがハッピーエンドは1つのみで、そのほかは選択肢を間違えた際に発生するバッドエンド4つ。
対応言語は日本語・英語・韓国語・スペイン語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・インドネシア語。

『The Crooked Man』のあらすじ・ストーリー

親友ポールの勧めで新居へと引っ越した主人公、デヴィッド。ゲームは引っ越し当日にデヴィッドが手伝いに来てくれたポールと、ポールの妻マリオンと会話をしているシーンからスタートする。
デヴィッドが引っ越したアパートは壁に大きな穴があるなど汚くて、あまり良い場所ではなかった。引っ越し当日からアパートでは無言電話、空室のはずの隣室から聞こえる男の声、勝手にお湯が流れ始める蛇口など異変が起きる。
デヴィッドは異変について調べるうちに、その原因が前の住人に関係していると突き止める。彼の足取りを追って、デヴィッドはいずれも廃墟となっているホテル、ロースクール、病院を回り、それぞれの場所で自分と似た境遇を思わせる人物に出会うことになる。
前の住人について調べていくうちに、デヴィッドは彼に親近感を覚えてしまう。夢の挫折、恋人との別れ、家族との不和。彼らは同じような人生を歩んできていた。二人はよく似ていたため共感が起こり、彼はデヴィッドに呼び掛け、デヴィッドも無意識に彼にこたえようとしてしまっていた。彼はデヴィッドを憎む一方で理解を求め、助けを求めていた。そのことに気付いたデヴィッドは彼と対面し、「曲がった男」と決着をつけることにする。

Prologue: David's Room

デヴィッドの自室で起こった怪奇現象。「お前を待っている」と赤字で書かれている

引っ越し作業を終えたデヴィッドはポールの忘れた免許証を返そうと、玄関に近づいたところでポールとマリオンが言い争う声を聞く。落ち込むデヴィッドに気分転換してほしかった、心配する二人の声を耳にしたデヴィッドは、声を掛けることが出来ずそのまま就寝してしまう。
その夜からデヴィッドの部屋では次々と怪奇現象が起こる。鏡に書かれた「ベッドの下を見ろ」という言葉に従って見つけた前の住人のものらしきメモ。そこには恋人と別れ、苦しんでいることがうかがえる。
翌朝電話の音で目を覚ましたデヴィッドは、母親の入院している病院に向かう。病室でベッドに横たわる母はデヴィッドを見て別の名前を呼び、会話も成立しない。母の様子に悲しむデヴィッドだが母親は突如攻撃的に、デヴィッドを不審者だと騒ぎ立てデヴィッドは駆けつけた看護師によって部屋から追い返されてしまう。
傷心のまま帰宅したデヴィッドだったが、部屋では怪奇現象が続く。勝手につくテレビや、知らない間に移動した家具。そして割れたカップから流れ出た珈琲が描く「HELP ME」の文字。怪奇現象と暮らしたって構わないとどこか投げ槍に発言するデヴィッドだったが、なぜか前の住人のことが気になってしまう。彼に会って、この怪奇現象について話を聞いてみたい。そう思ったデヴィッドは部屋に残されていた手がかりを元に彼の思い出の場所へと向かう。

Scene1: Hotel Ruhen Heim -Sissy-

デヴィッドの頬にお礼のキスをするシシィ

前の住人の思い出の場所とは廃墟となったホテル・ルーエンハイムだった。誰もいなくなったホテルでまたしても前の住人の残したメモを発見したデヴィッドはこのホテルが前の住人が恋人と訪れた場所だったこと、彼はその恋人と破局したことを知る。
探索を続けるデヴィッドは同じようにホテルを探索する女性、シシィと出会う。以前ホテルに泊まった際に大事なものをなくしたと語る彼女にデヴィッドは協力を約束し、その場を離れる。
ホテルの地下に入った際、デヴィッドは首のぐちゃぐちゃに曲がった化け物「曲がった男」に出会ってしまう。ありえない光景に自分がイカレてしまったのかと混乱するデヴィッドだったが、「曲がった男」はその後も現れデヴィッドを追いかけてくる。
「曲がった男」を撃退しながら探索を続けるデヴィッドは客室で怪我をしたシシィを発見する。怪我をし、暗い廃墟を彷徨うことに疲れたシシィはデヴィッドに探している大切なものとは、別れた恋人との思い出の品だったと語る。彼女もまた恋人と破局した人間だったのだ。別れた理由がわからない、恋人の事がまだ諦められないと語り、自分を女々しいと卑下するシシィを慰めるデヴィッド。彼も別れた恋人の事がいまだに忘れられなかった。優しさを優柔不断だと言われ、振られたデヴィッド。彼は女々しくていまだに恋人を忘れられないところがシシィや、前の住人と似ている事に気付く。
ホテルの大広間でシシィに襲いかかる「曲がった男」を発見したデヴィッドは彼女を庇い、化け物と戦う。「曲がった男」を倒したデヴィッドはホテルの外でシシィと合流、恐怖で泣き崩れ自分が女々しいからこんな目にあうのか、愛している事すらダメなのかと助けを求める彼女に「女々しくてもいいじゃないか」と声を掛ける。一途な彼女の姿を見て、誰かを愛し続けることはむしろ素晴らしい事だと感じ、諦めないで頑張ってみようと前向きな気持ちを取り戻したと語る。デヴィッドに慰められたシシィは立ち直り、彼女ももう少し頑張ってみると元気を取り戻した。シシィの大切なものから新しい目的地を見つけたデヴィッド。シシィは別れ際にデヴィッドの頬にキスをし、お礼を言って去っていった。

Scene2: Julius Special Low School -D-

過去の記憶に苛まれるデヴィッド

次にデヴィッドが訪れたのは廃校となったロースクールだった。そこでデヴィッドは司法試験に受からずくすぶっている少年、Dと出会う。
廃校舎を探索しているうちにデヴィッドは前の住人が夢に挫折したことを知る。このロースクールは彼の母校だった。彼は輝かしかった学校生活、希望に満ちていた若い頃を憎んでいた。そしてデヴィッドもまた、学校での期待を裏切り若い夢さえかなえられなかった、生きる価値さえないと過去の挫折に苦しんでいることが判明する。

成果の出ない自分に苦しむDに仕方ないと諭すデヴィッドは、パイロットを目指して空軍学校へ入学しようとしていたことを打ち明ける。しかし彼は色盲で、パイロットになることは出来なかった。デヴィッドもD同様に「持たざる者」であり、夢に破れたものだった。自分と同じ立場の人間から、夢を諦めたとしても今までのことが無駄になるわけではないと諭され、Dは次の受験を最後にすると決意し、二人は和解する。
和解後、部屋を後にしようとする二人の前に「曲がった男」が立ちふさがる。逃げてもまた追いかけてくると考えたデヴィッドはDを先に逃がし、再度「曲がった男」と対決する。
「曲がった男」を退けたあと、すぐに次の目的地へと向かおうとするデヴィッドにDは「今度会ったときには、一緒に飲んでくれるか?」と尋ねる。それにデヴィッドは「楽しみにしてる」と返し出発する。

Scene3: Central Hospital -Fluffy-

母の首を絞めるデヴィッド

Dと別れたデヴィッドがたどり着いたのは、すでに閉鎖した病院だった。デヴィッドはそこで母親とはぐれた子ども、フラフィーを保護する。
この病院は前の住人が生まれた場所だった。彼はここでも過去を後悔する内容のメモを残していた。
フラフィーの母親は忘れ物をしたと言ってフラフィーを廃病院に待たせていた。泣きながら待つと訴える様子に折れ、母親を探すデヴィッドだったが内心は面倒なことになったと感じていた。フラフィーと関わる中で、デヴィッドは自分の母親のことを思いだす。
体の弱かった母親、入院している母親。そんなデヴィッドは病院の地下で、母親らしきものと対峙する。こんなところにいる筈が無い、と動揺するデヴィッドに目の前の母親は自分を見捨てるのか、家族なのに疎ましかったのかと語り掛ける。
デヴィッドの母親が現在も入院しているのは脳腫瘍のせいだが、きっかけはデヴィッドにあった。ある時から性格が変ったようになり、攻撃的に振る舞う母はデヴィッドが息子であることもわからなくなる。追いつめられたデヴィッドは彼女の首を絞めてしまう。

病気を言い訳にすることは出来ない、自分の中に確かに母への憎しみがあったと自分を責めるデヴィッド。彼は夢にも恋愛にも破れ、家族との絆すら失い、何一つ自分の思い通りにならないと嘆く。願ったものが真っすぐなままでは手に入らない人生で、するべきことは1つだと屋上へ向かう。

Scene4: Central Hospital -Paul-

拳銃で自殺を図るデヴィッド

デヴィッドが帰ってこないことを心配したポールとマリオンが、廃病院まで彼を探しにやってくる。このステージでは操作キャラがポールに変更される。
デヴィッドが前ステージまでに関わってきたシシィ、D、フラフィーがポールの前に現れ、代わる代わるデヴィッドを助けてほしい、彼が待っているとポールに語り掛ける。廃墟に人が集まっていることに首を傾げるポールだったが、彼の背後にいるマリオンの顔色はどんどん悪くなっていく。
彼女には三人の姿は見えていなかった。さっきから誰もいなかった、と妻に告げられポールは危険を感じ彼女を病院の外へと逃がす。
デヴィッドがフラフィーを助けた屋上へ一人で向かうポール。屋上で一人たたずむデヴィッドを連れ帰ろうと声を掛けるが、様子のおかしい彼は自分の頭に拳銃を突きつけ、自殺を図る。自分は「曲がった男」だと、「どんなに頑張っても……曲がったまんま……曲がったものしか手に入らない……!!」「――辛い……生きていくのが……辛いんだ……」とこぼすデヴィッド。

ポールはそんな彼を、殴って正気に戻す。
落ち着きを取り戻したデヴィッドとポールは屋上に座り込み、今回のことについて話し合う。今まで集めてきた情報によって、「曲がった男」とデヴィッドには共通点があること、その共通点によってデヴィッドは「曲がった男」に付け込まれてしまったことが判明する。彼はデヴィッドを憎む一方で理解を求め、助けを求めていた。彼が「呼んでいる」ことに気付いたデヴィッドは彼の元へ向かうことを決意する。

Scene5: Home Sweet Home

デヴィッドが訪れた前の住人の墓

デヴィッドが最後にたどり着いたのは、ある立派な一軒家だった。ここでデヴィッドの部屋の前の住人は昨年死亡したその家の持ち主、マクガーハンの1人息子デューク・マクガーハンだったことが判明する。
デュークは親の死んだ生家に戻り、これまでの思い出の地を巡ったことを振り返り何もない人生だったと書き残す。曲がった自分には曲がったものしか手に入らないと自殺を試みた際のデヴィッドと同じ言葉を綴り、そんな人生に意味はないと絶望する。
デュークの家でもデヴィッドは「曲がった男」と対峙する。叫び声をあげ、追いかけてくるデヴィッドは「お前のところには行けない」と最後の戦闘に挑む。「曲がった男」に銃弾を浴びせ、惨めに這いつくばってでも生きのびてやると叫ぶデヴィッド。そしてついに化け物は倒れ、姿を消す。
「曲がった男」を倒したデヴィッドは屋根裏で、デュークの死体を発見する。彼は人生に絶望し、実家で首を吊って自殺していた。白骨化した彼の遺体にデヴィッドは「俺のことを助けようとしてくれた」と感謝を語り、もう眠るように諭した。
デュークの家から帰宅し、結末をポールに語るデヴィッド。そこへ母の容体が悪化したとの知らせが入る。母の体では手術に耐えられないかもしれない、と医者に説明されるがデヴィッドは望みをかけて手術に同意する。母の手術は成功し、腫瘍は取り除かれた。しかし彼女の体は手術に耐えられず、最後に目を覚ましデヴィッドと和解すると、息子に水を取りに行かせその間に息を引き取った。
母が死亡し、落ち込むデヴィッドだったが最後に彼女が言い残した「幸せだった」という言葉で自分を責めずにいられた。そんな彼の元へマリオンがかつての恋人シャーリーを連れて現れる。シャーリーがデヴィッドに謝罪し、やり直せないかと持ち掛けると彼はそれに同意し、二人は再度交際を始めた。デヴィッドは曲がった男は曲がったなりに幸せに暮らしていた、という結論にたどり着き恋人と復縁し生きていくことを決めた。
1人で墓地に佇むデヴィッド、彼の目の前にはデュークの墓があった。彼が最後に願っていた「煙草が吸いたい」という言葉に応えてかデヴィッドは彼の墓前に煙草を供え、「いつか君にまた巡り合いたい」と願い去っていく。

『The Crooked Man』のゲームシステム

公式サイトにすべての攻略が掲載されている。攻略に行き詰った際はここを参考にするといい。

kosatoshiq9
kosatoshiq9
@kosatoshiq9

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