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reiasukaのレビュー・評価・感想

死神くん
10

人の死に立ち会う死神から見える人間模様

その多くが一話完結型の物語です。
ギャグ漫画家でもあるえんどコイチ氏が手掛けるこの作品は、コミカルな絵柄ながらも感動的なストーリーが多く存在し、人の温かみを感じるヒューマンストーリーです。

死神くんは死神として魂を冥界に連れて行く役割を持っていますが、天寿を全うしたり事故で亡くなる人に限らず、死ぬ予定では無いのに死んでしまいそうな人の元に現れ、命の尊さを諭すことおあります。死ぬ予定では無いのに、と言うのは、例えば自殺を考えている人などを含みます。

中には物語の主人公となる人物に死期が迫っているとは限らず、泥棒家業に染まっていた青年が逃げ込んだ先の老人ホームで、死期の迫っていた老人を脅そうとした青年を止めるため姿を見せたこともあります。

この物語では、泥棒の青年を「私の息子」とかばった老人女性や、老人ホームで死を間近に迎えながらも楽しそうに暮らす彼らと触れ合い、彼は人生を見つめ直すことになります。

青年の「死ぬのが怖く無いのか?」の問い、老人男性は「怖いさ、あんたのナイフなんかよりよっぽど怖い。確実な死だからな」と言いながらも、だからこそ残り短い時間を楽しく充実したものにしようとする彼らを見て、泥棒家業から足を洗うことを決意します。

しかし老人女性が心残りとして結婚指輪を息子夫婦の家に置いてきたこと、それを取りにはいけないことを知った青年は、最後の泥棒として彼女の指輪を盗むことを決意。
息子夫婦宅に侵入するも指輪は見つからず、帰ってきた息子夫婦が、ちょうどその日に指輪を質に流し、食事代に当てたことを知ります。彼らはお金に困っていたわけでもなく、ただ、彼にとっての母が大切にしていた指輪を軽視したのです。
それを知った青年は男を殴り、逃走します。

老人ホームに戻ると老人女性の命の灯がまさに消えようという時で、青年は老人女性に指輪を見せ、彼女はお礼を言って微笑み、息を引き取ります。
その指輪は青年がとっさに用意した、結婚指輪とは違うものでしたが「それが本物じゃ無いと分かっていたさ、それでもお前の気持ちが嬉しかったんだよ」とは死神くんの弁。

その後、青年を逮捕しにきた警察から老人たちは彼を庇いますが、青年は出頭し、出所後まで老人たちに元気でいろ、と老人たちも笑顔で別れます。
その姿を、老人女性の魂と死神くんたちは空から眺め「本当に親孝行な奴だな」と言ってこの物語は終了します。
この物語のタイトルは「泥棒息子の親孝行」でした。

これが特に好きな話でしたが、他のストーリーも感動的なものが多く存在します。

2014年4月にはテレビ朝日系でテレビドラマ化され、死神くん役は嵐の大野智氏が担当しました。
原作では2〜3頭身の子供のような容姿でしたが、ドラマ版では30歳前後の男性の姿で、設定や性格なども独自のものとして展開しました。

存在のない子供たち
8

ひどい話

ひどい話だと思いました。児童婚って、その話だけでひどいし、ゼインが家を出たのも両親を訴えたいと思ったのもわかるというか、こういう子供たちが世界にはたくさんいるなんて、ひどい話だなと思います。ゼインが家を出て、女の人と一緒に暮らせるようになって、なんとなく家族っぽく生きられるのかなと思っていたら、女の人は逮捕されちゃうし、その人の子どもとゼインが暮らさなきゃいけなくて、火垂るの墓みたいだなと思いました。それでもゼインは金を稼ぐ術があったからどうにかなったけど、家から出なきゃいけない等のいろいろな問題があり、そこから鬱展開でした。クズ親のせいでひどい目に遭う子どもたちの話は、みていて辛くなりました。でも、親もあそこまで貧乏でなければ、子どもを売るなんてしないだろうし、貧困の悲しさ、社会の非道さもあるよなとかいろいろ考えてしまいました。出ている役者さんも、難民だったり、そういう境遇にいる子を使っているそうです。だからなのか、とてもリアリテイのある演技だったと思います。とても重い話だし、見ていてしんどいところはありますが、最終的には未来が開けたかなという感じで終わるのでハッピーエンドなんだと思います。いろいろ考えさせられるので、ぜひいろんな人に見てもらいたいです。

世界一キライなあなたに / Me before you
10

こんな彼女になりたい

イギリスの田舎の女の子。その時点で私的にはかわいいのだが、この女の子が本当に可愛い!まずはお洒落が大好き!家族を大切にする!人を思いやる!何事も全力!一生懸命!見ていて頑張れっと応援したくなる、そんな彼女が新しくする仕事、それが彼、ウィル・トレーナーの介護、そして話し相手をするという仕事だ。バイクの交通事故を起こして以来生きることに希望を持たなかった彼が彼女との出会いをきっかけに、明るく、人生の楽しみ方を、人との関わりを彼女を通して感じていくそんな映画。結末から言うと彼は最後に、死という選択肢を選んだ。私は納得はいかなかった。彼女を自由に、もっと広い世界を見てほしいという気持ちがわかるのだが、人間の死について考え方が賛否両論あるだろうなっと見ていて思った。最後のシーンは涙が止まらない。彼女が広い世界に旅立ち、ウィルから貰った手紙を読むラストシーンでは、ウィルの願いが届き明るい未来が来ることを想像したくなる。よくある恋愛映画だろうと思って間始めたが、尊厳死というテーマを元に考えさせられる、とても素敵な映画!底抜けに明るい彼女のように私も生きていきたいな、誰かのために!と思える映画!

処刑人 / The Boondock Saints
9

とても独創性のある映画です。

処刑人はトロイ・ダフィー監督の1999年公開の映画です。日本ではPG-12指定されています。
主演は「インディ・ジョーンズ若き日の大冒険」でインディ役をしたショーン・パトリック・フラナリーとプラダでモデルをしていたノーマン・リーダスの二人です。
映画はコナー・マクマナスとマフィー・マクマナス兄弟が教会でお祈りを捧げる所から始まります。
バーでマフィアと喧嘩してしまった二人は、翌日自宅を襲撃されてしまいます。
マフィーを守ろうとしたコナーは相手を殺してしまいますが、調べにきたFBIのスメッカー刑事(ウィリアム・デフォー)に正当防衛を認められます。
一晩拘置所で過ごす事になった二人はその晩「悪人を退治せよ」と神の啓示を受けます。
釈放された二人は街にはびこる悪人たちを次々と殺していきます。
途中で仲間になるロッコをマフィアに殺されてしまい、二人は弔い合戦を始めます。
二人を捕まえる側のスメッカー刑事はプロファイリングによって犯人を導き出しますが、悪人を倒す行為に疑問を持てずついには二人に協力し始めます。
マフィアが雇った殺し屋が二人が唱えた祈りの言葉の続きを言った事から、実は二人の父親だということがわかり協力しあうことになります。

マフィアのボスが裁判に出廷していた時にマクマナス親子が乗り込み裁きを下します。
その時のセリフがとてもカッコいいです。
少し抜粋すると
「よく聞け
貧乏も飢えも許す
怠慢も堕落も許す
だが不正は許さん
悪事は見逃さない

地獄の果てまで追いつめる
悪事を働く者を殺し血の雨を降らせてやる
殺すな 姦淫するな 盗むな
これが神を信じる者の掟だ」

スメッカー刑事の協力で武器を裁判所に持ち込んだ二人が、銃を周りに突き付けながら宣言しマフィアのボスを射殺します。
最後はマスコミもマクマナス親子の行動を「聖人」だと言い出します。
殺人を正義だと言ってしまう映画なので、好き嫌いが別れるかもしれません。

クズの本懐 / Scum's Wish
8

一人一人の青春

この作品はとにかく賛否両論あります。
まず見ているうちに気分が悪くなって見るのをやめてしまう人。どんどん引き込まれて、登場キャラクターに感情移入をして一気に読んでしまう人。
勿論私は後者でした。

確かに、途中で読むのをやめてしまう人の心境も分かります。恋愛に正解などないと思っていますが、それでも本作に出てくるキャラクターの恋愛は…タイトル通り、クズです。

しかしその中にも輝く物が見出せる人はハマって一気読みしてしまうのではないかと思います。

私は個人的に作中で最もクズだと思う茜先生のファンです。
正直読者の8割は彼女の事が嫌いだと思います。とてつもないクズです。
私も作中では大好きですが、絶対に現実世界ではお近づきになりたくない、そんな人物。

ただ、人間って酷いやつ!と思いつつもそこに憧れを持ってしまったりするものではないでしょうか。
茜先生には、女の子の夢やロマンが詰まっていると思っています。
なれるものなら茜先生になりたい。
茜先生アンチでも、心の奥底ではそう思っていると私は断言できます。

そんなこんなで、茜先生の話が長くなってしまいましたが、主要登場人物、誰もかれもクズだけど…可愛いんです。
憎めないんです。

読み終わったら是非、貴方の推しを聞かせてほしいです。
誰推しかで深層心理がなんとなく分かる気がします。

ぼくの地球を守って / ぼく地球 / Please Save My Earth
10

感動の名作です

古い作品ですが今読んでも感動します。
内容は転生SFモノで恋愛モノです。
転校してきた高校生・亜梨子(ありす)は植物と共感できる力があり、歌が上手いけれど引っ込み思案。近所の小学生・輪(りん)に日々イタズラをされる毎日。
ふとしたきっかけから前世の記憶を少しずつ夢に見始めるようになります。
そんなある日、亜梨子は輪を誤ってマンションのベランダから転落させてしまいます。事故から目覚めた輪も転生前の記憶が戻るのですが…。
記憶が戻った輪は今までのイタズラしていた小学生とは思えないような感じに変化し、亜梨子に婚約を申し込みます。
記憶により変わっていく関係。
前世の仲間との再会により生まれる謎。なかなか思い出せない過去の記憶。亜梨子に隠して何かをしようと暗躍する輪。輪を想い記憶を思い出していく亜梨子は、記憶と現在に翻弄されます。
少女マンガと思って読み始めると予想以上に膨らんでいくストーリー。先の読めない展開にどんどん引き込まれていく物語です。転生の記憶に引き摺られて周りの登場人物達の立場も少しずつ変わっていったり、記憶によって想いも複雑になっていきます。
互いを切ない程に想いあっているのにすれ違う2人や周りの人物の想いにも泣けます。